【あなたside】
押し倒された私の目を見てそう言うみや。
そう、私は1度みやに告白している。
けどみやはネット活動に専念したいから、という理由で付き合ってくれなかった。
酔いつぶれていたじんたんが起きかけようとしていた。
そう言って部屋から出て行ってしまった。
パシッ、
みやを追いかけようとした私の腕を誰かが掴む。
まだ酔いから覚めてないのか、まともに喋れていない。
包み込まれたじんたんの体温が温かい。
そのまま私はじんたんの足の間に入る事になってしまった。
じんたんの唇が重なる。
お酒の匂いが口から鼻へと抜けていく。
いつもはかわいいじんたん。
でも今は狼のように私を狙う。
私の両腕を抑えて口付けをしながら
服を脱がそうとしていた。
じんたんの手が止まる。
いつもの優しいじんたんに戻っていた。
じんたんの、裏の顔。
それを私は知ってしまったのかもしれない。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!