階段の下からテオくんを呼ぶが、返事は返ってこなかった。
編集でもしてるのかな、と思ってテオくんの部屋に入ろうとした。
そこにはうずくまって息切れをしているテオくんがいた。
そう言って部屋を出ようとした私の腕を何か熱いものが離してくれなかった。
そう言った私の手を引っ張ってテオくんに包み込まれる。
熱のせいか、体がいつもより熱い。
テオくんは私の肩に顔をうずめた。
始めは力が入っていたテオくんの体も、次第に抜けていって、テオくんの寝息が耳元で聞こえた。
いつもは強いテオくんの、弱ってる姿。
こんな姿もたまには良いかな、なんて。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。