第89話

最悪な日
1,445
2021/09/14 01:52
長尾side
長尾「みっちー!」

道枝「おぉ、長尾おはよ」

長尾「おはよ〜」
今日もいつも通りみっちーと登校する。

内容のない会話をしながらしばらく歩いていると、
あなたたちのマンションが見えてきた。
拓哉「ほんまに風雅遅い〜」

あなた「次から遅刻したらアイス奢りね!」

風雅「あなたやってたまに遅れるやん」

あなた「てか拓哉ってほんと朝強いよね〜」

風雅「おい笑」

拓哉「俺ほんまに朝強いんよ!」

拓哉「俺が2人とも起こしに行こっか?」

あなた・風雅「大丈夫でーす」

拓哉「なんでやねん笑」
ほんまいつも楽しそうやな笑
なんて思いながら歩いていると、
あなた「あ!!」

拓哉「せんぱーい!!」

風雅「おはようございます」
みっちーと目を合わせてから2人で3人の元へ走った。
長尾「おはよー!!」

道枝「おはよ!」
最近は5人で行くことも多くなり、
すっかりいつめん笑
道枝「あなた、風邪ひかへんかった?」

あなた「大丈夫ですよ!」

あなた「先輩のおかげで濡れなかったので!」

道枝「ほんまによかった((ニコッ」

あなた「っ、助かりました//」
え、え、なになに!!
昨日あの後ふたりで会ったん?!

呼び捨てになってるし、
先輩のおかげで濡れなかったってどゆこと?!
拓哉「え」
拓哉もぽかーんとしてた笑
風雅「え、ふたり昨日会ったんすか?」
ナイス風雅!!
道枝「昨日 家帰ったら天気予報でこれから雨降るって言ってて、あなたが由美ちゃん送りに行ったの思い出したから傘もって迎えに行ってん!」

風雅「あ〜そうやったんすね」

拓哉「俺も行けばよかったぁ」

長尾「みっちー、さすがやわ」
みっちーってほんま凄いよな。

こういうのやって多分ほんまに心配したからで、
あなたに好かれたいからとかやないもん。
あなた「長尾先輩、?」

長尾「ん、ぇ、どしたん?」

あなた「いや、今日いつもより静かやなって」

長尾「あ〜ちょっと寝不足で、笑」

あなた「今日 放課後 委員会もあるんですけど大丈夫そうですか?」

長尾「大丈夫やよ!」

あなた「無理、しないでくださいね?」

長尾「おん、ありがとぉ」

せっかくあなたが話しかけてくれたんに!

もうみっちーに取られるんやないかって考えとったら、いつも通りにできなくなってる。

どうしよ、ほんまに取られるやん…









今日は授業中もぼーっとしてしまって、
気づいたら昼休み。

授業中なんも話さへんとか俺らしくないやん…
道枝「長尾?ほんまに今日大丈夫なん?」

長尾「あ、みっちーごめん、大丈夫やよ!」

道枝「そか…屋上行こか!」

長尾「おん」
体育祭以来、あなたたちと6人で屋上で昼休み過ごすのが当たり前になっていた。
in屋上
みんな楽しそうに話してるんに中々入られへんくて、
気を使わせちゃってる気がする。
長尾「ちょっとごめん、トイレ行ってくるわ」

拓哉「はーい!」

あなた「…」
あなたからの視線を感じた。
けど、今日はいつもみたいにできひん…


『あ、あのっ、長尾先輩…!!』

長尾「…ん?」
トイレに行く途中、
階段の踊り場で知らない1年に話しかけられた。
『今日はひとりなんですか?』

長尾「あー、ちょっとトイレ行くんよ」

『そうなんですね』

長尾「?おん、じゃあ」

『あ!待ってください、あのっ』

長尾「ん?」
あの、あのって言ってなかなか話さない。
なんやねん、はよ話してや。
『私、長尾先輩のことが好きで』

『付き合って欲しいです』
いや、今日初めて見て名前も知らんし。

話したこともないんやから、
どうせ俺の顔が好きとか目立ってるからとかやろ?
長尾「んー、ごめんなぁ」

長尾「さすがに話したことない子と付き合うのは」

『じゃ!じゃあ!お試しっていうのは?』
お試しって…あの元カノと同じやん。
長尾「いや、まず俺 好きな人おるから」

『…それってあなた先輩ですか?』

長尾「なんであんたに教えなあかんの?」

『私の方が長尾先輩のこと好きです』

『あなた先輩はモテるから迷ってるかも知れませんけど、私は長尾先輩しか見てないです』

長尾「…」
確かにあなたは迷ってるけど、
みっちーのことが一番好きやろうけど、
それでも俺が心から好きになれた人なんや。
長尾「あなたのことなんも知らんくせにそんなこと言うなや」

長尾「それに俺のことあんま知らんやろ?」

『…大好きです』

長尾「あのさぁ」

長尾「もうええ、俺もう行くから」

『…あ』
1年が俺の後ろをチラッと見た気がした。
すると、、
俺の腕を勢いよく引っ張って
『ちゅ』

長尾「…っ?!」
俺は思いっきり押して引き離した。
長尾「お前なにすんねん!!」

『あれ、初めてでした?』

長尾「ちゃうけど」

『ならええやないですか、減るもんちゃうし』

長尾「ええ加減にせえよ」

長尾「もう俺の視界に入ってくんな」
…ほんまに最悪。
なんで好きでもない奴とキスせなあかんねん。
俺はトイレの水道で何度も口をゆすいだ。



ほんまに最悪な日や…

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