長尾side
みっちーと一緒にお風呂なんて10年振りとか?
ほんまに久々やなぁ
道枝「なんで俺と入りたかったん?」
長尾「ええやん!久々やし!!」
道枝「別にええけど笑」
2人とも体を洗い終わって湯船に浸かる。
長尾「ふ〜」
道枝「気持ちええな、入浴剤入れてくれてるやん!」
長尾「ほんまや!!」
道枝「癒されるわ〜」
長尾「…なぁ、みっちー?」
道枝「ん?」
長尾「あなたとなんかあったやろ?」
道枝「え、特に何も…」
道枝「あ!なんかあの時、」
長尾「ん?」
道枝「長尾たちが昼寝してる時このマンションの中庭であなたちゃんと話してたんよ」
長尾「うんうん」
道枝「その時に話の流れであなたちゃんのこと大切な友達やって言ったんよ」
長尾「っ!…う、ん」
道枝「そしたらなんか急にコンビニ行くから先戻っててって言われて、友達って言われるの嫌やったんかなって思った」
長尾「そうやったんか」
いや、絶対それやん!
あなた、みっちーのこと好きやったもん。
本人から直接 友達って言われるのは辛いわ。
道枝「嫌やったんかな…」
長尾「別に友達って言われたんが嫌やった訳じゃないと思う」
道枝「じゃあなんで?」
長尾「んー、それは自分で考えなあかんなぁ」
道枝「分からへん」
長尾「んじゃあさ、みっちーって友達だと思ってた人に付き合ってって言われたら付き合える?」
長尾「恋愛感情で見れる?」
道枝「それは……分からへん」
道枝「ほんまに俺、好きな人とかできたことないねん」
長尾「それは知っとるよ」
長尾「…みっちーはほんまにあなたのこと大切な友達やって思ってるん?」
道枝「…思ってる」
長尾「そか、ならあなたに彼氏ができたりしてもどうでもええんか?」
道枝「どうでも良くはないけど…」
長尾「うん、わかった!」
長尾「色々聞いちゃってごめんな」
道枝「…うん?」
やっぱりみっちーはただの純粋かもしれん。
真剣な目やったし、ほんまに“好き”とかわからへんのやろなって。
…でも、これでみっちーがあなたのこと好きって気づいた時。その時が一番やばいかもしれへん。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。