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第2話

中編
52
2019/10/27 09:05
~前回の続き~
秋良と関わりを持ち始めた美鶴。
少しずつ秋良の事を知り、受け止めていく。
秋良も美鶴の事を意識し始めていた··?!
~12月~
メールが来た
「今日もどっか出かけない?」
差出人は秋良。
「いいけど、またコスコ?」
「ううん、俺海見に行きたい!」
突拍子もないことを言い出したが、俺は
「分かった、じゃあいつものとこいろよ」
「はぁい」
~15分後~
「みつ子ー!」
突然抱きつこうとしてきた秋良に驚いたが
してはこなかった。とりあえず、海に向かって2人で歩き出した。
「ねね!俺ね海好きなんだよね!」
「へぇーそれは知らなかった」
「ふっふっふっ」
「なんだよ?」
「海ってさ心が綺麗になると思わない?」
「そうか?俺からしたら魚が沢山いるとことしか思えないが」
「確かにお魚さんは沢山いるし、お魚好きだよ」
「俺も魚好きだよ」
「でもさ、それよりも海って広くない?」
「うん、広い。だって、地球の7割は水だからな」
「そうだけど、そうじゃなくてなんか心が落ち着くんだよね」
「俺にはわかんねぇは」
「だって、俺の存在は海からしたらちっぽけな存在じゃん?そう思ったら俺がグルグル考えてる悩みも小さく感じて来るんだよね」
「そんなもんなのか」
「そんなものだよ。えへへ」
満面の笑みを浮かべて言った言葉は俺の心をグサリと突き刺した。あまりにも可愛く、素直な秋良は本当に可愛い。
「シーマーケットの方行かない?」
「おう、いいけど」
「俺さ、あそこのアイス大好きでさ特にフランボワーズ桜ソフトのうまさと来たら舌が畝るぜ!」
「あ、そう」
「ねね、もしだよ·····」
神妙な顔で秋良は言葉を紡ぎ始めた。
「なに?」
「もしさ、悲しいことがあった時私を助けてくれる?」
涙を必死に隠そうと頑張ってはいるが、うっすら涙を浮かべてる秋良は本当に助けを求めているようだった。
「当たり前だろ、お前が泣くとこなんか見たくねぇし、泣かせるなんて許せないから」
「ありがとう、みつ子」
「あのさ、こんないい話でそんな名前出さないでくれない?雰囲気ってあるでしょ?」
「えへへ、許して´`*」
さっきまで泣きそうな顔はどこいったか、やっぱりこいつは笑顔が似合うんだよな。
「みつ子ー?」
「なんだよ」
「呼んだだけー!!」
「シバくぞ」
「やめて~俺は生きなきゃいけないんだー」
「お前な~」
そんなこんなでシーマーケットに着いた俺たちはフランボワーズ桜ソフトとライチソルト桜の花の香り漬けを2人で食べた。こいつ、好きな物食べる時本当に幸せそうな顔すんだよな。
「みつ子、俺」
「なに」
「今すげぇ幸せかも」
「なんで」
「大好きな海にフランボワーズ桜をたべられるなんて!」
「そうかよ」
「うん!一緒に来てくれてありがとう!」
「別にいいよ、お前と少しでもいられるなら」
「照れるだろ馬鹿」
「まぁ、本当にお前より馬鹿だから言い返せないな」
「はっはっはっ俺はみつ子より賢いのだ~」
「人としての成績なら俺の方が優秀だけどな」
「うるせー!いつか勝ってやる何もかもな!」
「期待しといてやるよ」
この謎の男気どうしたらこんなに育つんだろ
「そろそろ帰るか」
「そうだねみつ子」
「うん」
こうして2回目の俺の中ではデート(秋良はそうだとは思ってない)が終わりを迎えた。
だか、近いうちにあんな事が起こるなんて俺たちはまだ、知る由もなかった。

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