第十一章
依side
30分前の出来事
椿をいじめていた女の子たちが、私を屋上に呼びました
こういうのは黙っておけば消えるのでは…と思い、黙ることにしました
彼女は私の肩を突き飛ばしました
私は魂しかないので、強い力で簡単に倒れてしまいました
すると、彼女たちは私を蹴ってきました
流石に魂だけでも痛いので、私はすぐに動けなくなりました
神様だとばれたら、椿にも支障が出るかもしれないので、
あまりばれないようにしていたのですが、そろそろばれそうです
いじめっ子1さんが、私に馬乗りになってきて、
首を絞めてきました
神様って不便ですね…
姿を消すことはできるのに、存在自体は消えないだなんて
まあでも椿が笑えば私のことはだんだん忘れていく
それまでの辛抱です
すると、彼女たちは私を抱えました
ニヤニヤ笑いながら私を端っこまで運びました
私の体は宙へ浮かびました
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!