今日もまた、学校
第十五章
学校に行くことはいやではない
けど、いざ行くとなると、嫌気がさす
…
こいつが来てからかなり平和になった
なぜだろう
自信ありげに聞いてきた
でも親にも言われたような気がする
そんなことを思って、校舎を見上げた
家に帰ると母がいた
そうか、親にあいつのことは話してなかったな
.
十分気をつけてるはずだ
久しぶりに親の愛を感じた
少し泣きそうになった
夜になって布団を敷いていると兄が入ってきた
・
言い訳が思いつかなかった
兄と話すのはいつぶりだろうか
何年ぶり…かもしれない
結構良いやつだ
そういうと、ニヤリと笑って部屋を出ていった
やっぱり悪いやつだ
あいつが帰ってきた
いや、居候だから帰ってきたっていうのはおかしいか
また怒った
ガチャ
最悪だ
本当に最悪だ
なんでこの時に限って
あいつが姿を見せたのか
またあの笑顔でにこりと笑った
兄は顔を真っ赤にして俯いた
兄も変わったやつだ
すると兄は私に近づいてきた
それは私も思う
変な会話をして兄は去って行った
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!