朝目覚めたら、隣であいつが寝ていた
第十章
まだ外は暗かった
あいつは猫のように丸くなって寝ていた
そんなことを少し思った
何もやることがなかったから、外に出ることにした
やはり暗かった
私の家の近くは街灯がぽつりとあるだけだから余計に暗く感じる
近くの公園に行くと、朝日が昇ってきた
…
…
なんだか最近、あいつのことしか考えてないような気がする
朝になったから家に帰ることにした
家に帰ると、あいつは起きていた
なんで怒っているんだろう
神様だから私の居場所はわかるんじゃなかったんだろうか
なんで怒ってるのかもわからぬまま、学校に行くことにした
放課後
あいつがいない
不貞腐れてもう帰ったのか?
まあいい。私も帰ろう
…
……
嫌な予感がする
そう思って上を見ると、人が落ちてきた
あいつだ
とっさの判断で、手を構える
すごく軽かった
神様だから、魂しかないのか
あいつがゆっくりと目を開けた
私の名前を呼んだ
あいつは目を細めて笑った
…
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。
登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。