もうとっくに12時を回っている
どれだけそばにいても仕方がないかもしれないよね
私がいるとやまとも感情を殺さないといけないし
私は帰った方がいいんだろうな
、、、うん、帰ろう
たたずむやまとのそばをそーっと通ろうとしたんだけど、
や「、、、帰んないでよ」
俯いたまま袖を掴んで離そうとしないやまと
『っ、、、、』
あぁ、こんなの期待しちゃうよ
ただのずるいだけの関係じゃ我慢できなくなるよ
そんなこと思っても
『わかった』
帰るわけない
帰れるわけなんてない
掴んだ袖を離し、まだ悲しくたたずむあなたに
そっとキスをした
精一杯背伸びして
キスをした
もう、戻るには遅すぎる
next ♡×30
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!