第7話

“アイツ”が“消える”
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2019/10/30 22:23
柳と私のコンクールの話が決まった翌日だった。
私はとんでもないものを見つけてしまう。





✳ ✳ ✳
桧谷 沙弥
マジでさ、アイツが消えて最高。
“アイツ”が“消える”……?
生徒
ほんとそれなー。
生徒
私嫌いだった。
桧谷 沙弥
私も大嫌い。
桧谷 沙弥
コンクールに選ばれて調子のっててさ~。
“コンクール”
桧谷 沙弥
明日から楽しみだねぇ……?
“消える”
生徒
確かにー。
“アイツ”
桧谷 沙弥
前橋はどんな顔して教室に入ってくるんだろ……?
こんな事知らなければ良かった。
生徒
写真に撮ってばらまこうよ!
でも、まだそうと決まった訳じゃないし……
桧谷 沙弥
良いこと言う~!
どうしよう。
でも、もし……
前橋 藍
はぁ、はぁ……
柳が……!
桧谷 沙弥
ならもう帰ろっか~。
桧谷達は今教室の中にいる。
そして、私は廊下にいる。
つまり、見つかる!?
私は急いで駆け出した。
前橋 藍
はぁ……はぁ……。
前橋 藍
や、柳……
プルルルル
前橋 藍
繋がらない……!
その時、柳のお母さんから電話がきた。
柳のお母さん
藍ちゃん……!?あの、柳が、柳が……!
前橋 藍
あの、柳は……!
柳のお母さん
中央病院……。202号室……!
前橋 藍
ありがとうございますっ、今すぐ行きます……!
何があったかはわからない。

でも、取り合えず病院が先だ。

事情は後で聞けばいい。
前橋 藍
自転車っ……!!
私は道を歩いている大人を蹴散らす勢いで自転車で走り出した。

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