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第26話

あいつに、甘い俺。
玲於side
ヨシにあれこれあいつに伝えろ伝えろうるさくて


はいはいと流してやってきた玄関。


どうせ、ヘラヘラして俺に


ごめん!


とでも言ってくるんだろーな。


いざとなっては違って
落ち込んだ果てに泣いていた。
また、アイツが関わったあなたの涙なんだろうと


思ったら腹立たしいわ。
佐野玲於
…帰ろ。
しばらくあなたはタオルを目に当てて動かない。


名前呼んでも返事しねぇんだよ。


そっとしておくのもいいかと思ってたけど…


ちょっと嫌な予感がした。
佐野玲於
あなた?
すると、タオルの隙間から聞こえる寝息。
佐野玲於
嘘だろっ…
泣いて疲れて寝るなんて有り得ねぇ。


しかも学校。
どうすればいいんだよ。
起こす?


寝てんの起こすのは悪ぃかな…
はぁ、
佐野玲於
ほら、よっ…こいしょ…
担ぐ。


(( 電車に乗るところはカットで✂️ ))
うーうー、唸ってたけどそんなの気にしないし。


寝てるお前が悪い。


後でキツく叱らねぇと。
教科書が2倍の重さのかばんを両手にぶら下げ、


背中にはあなた。


流石の俺でも意外ときつい。
アイツだったら余裕で出来そうだ、


筋肉すげぇもん。
余裕のない俺にムカつく。
あなた

りゅ…と…

耳元で囁いたと思いきや寝言でしかもアイツの名前。


うわっ、くっそムカつく。
今すぐ下ろしてあげたい。
けど、俺優しいから家まで送り届けるよ?
しっかし、よく寝んなぁ、こいつ。
ビクともしねぇし、起きる気配もない。
佐野玲於
おい ~ 、起きろっ。
起きるか起きないかの声であなたに言う。


もっとおっきい声で言えばいいのに。


自分につっこむ。


けど、理由はある。


離したくない、そんな気持ち。
起きるな、という気持ちも。


それか約20分が経った頃。
佐野玲於
はぁっ…疲れた…
まさかの目の前に登り坂。


やっべぇ、


夏休み初日から筋肉痛でぶっ倒れるわ。


俺。


そろそろ死ぬんじゃね。
佐野玲於
まじ、いい加減起きろ。
さっきの気持ちなんか心に微塵もない。


開放されたい、


その一心だった。
揺さぶると
あなた

ん ~ 、なに…

佐野玲於
お前、起きろ。
あなた

え…

佐野玲於
まじで、重い。
あなた

うわっ!!!なんで!?

起きたと思えば耳元で叫ぶ。


ああ、もう最悪。
佐野玲於
寝やがって…
あなた

ごめんごめん!下ろして!

佐野玲於
下ろす?ここで?


もうすぐ着いてしまうあなたの家。


このまま送るか…


自分の体力を知るか…
佐野玲於
いい、乗ってて。
あなた

は?

佐野玲於
最後まで送られてろ、あほ。
あなた

…何それっ、

佐野玲於
今日はご褒美。
泣いてた慰めだ。
なんてあなたへのため。


って口に出すけど本当は俺のため。


話したくない、離れたくない。


そんな気持ちがまた蘇る。
あなた

なら、お言葉に甘えて…

力を抜いたあなたの体重は増して重く感じた。
佐野玲於
お前、痩せたら?
あなた

は!?

佐野玲於
じょ ~ だんだって。
あなた

本気で…嫌いなりそうだった…

佐野玲於
おい、
それは辞めてほしい、
二人で何気に楽しい会話をしていた中、
さっきからつけられてる気。
立ち止まって振り返るとやっぱ、物陰がある。
あなた

どうしたの?

佐野玲於
いや、何かにつけられてる気がすんだよ。
あなた

あ ~ …

なに、その察したような感じ。
佐野玲於
あなたなんか知ってんの、
あなた

え?

完璧目、泳いでますけど。
佐野玲於
隠してんの。俺に。
あなた

いや…言おうと思ったんだけどね?
ちょっと言いそびれちゃって…

佐野玲於
まぁ、その件については後でゆっくり聞くから。
嫌な顔して返事をした。
てか、本気でやばくね?


あなた、付けられてんだよ?


危機感もてよな。
あなた

とりあえず、帰ろ?

佐野玲於
おう、
家の前であなたを下ろす。
佐野玲於
うっわ、俺の背中びしょびしょ…
あなた

ええっ!ごめんごめん!本気でごめん!

佐野玲於
汗かくとかデブってやつ?
あなた

うるさいな!

佐野玲於
はい、荷物。
その時触れた手。


不意にもドキッとしてしまった。


中学生かよ、俺。
心が幼稚すぎて…
あなた

玲於、ほんとありがとう!

その笑顔で言われたらスっと心も楽になって


許しちまうんだ。俺は、


甘いなぁ、あなたに。
佐野玲於
おう。
軽い足取りで家に入ったのを見送ると
やっぱ、背中にあいつがまだ居る気がして


落ち着かねぇ。
佐野玲於
連れて帰りたい…
そんな無条件な言葉を発した俺は、相当な変態。