文化祭当日。
舞、絶賛興奮中。
ついに、文化祭が開幕し私達の出し物の繁盛は
最高な盛り上がりだった。
舞はカメラマンで私は受け付け。
さっきから沢山のカップルや4、5人の集団が
おめかしして私の元へやってくる。
いいな、って思うばかり。
ラブラブそうなカップルを見ては頬が緩む。
私もああなれたらと思う。
それから昼になり私達はご飯を買いに行く。
中庭に出れば屋台が並んでていい匂いが漂う。
たこ焼き食べたい…
焼きそばもいいな…
フランクフルトも…!
こんなに沢山あったら迷うよ。
最終選択。
たこ焼きとフランクフルト。
よしっ、たこ焼き
屋台の中で華麗なたこ焼きさばきの人。
昔、大阪に住んでいたこともあって
たこ焼きの作り方は凄く慣れてて早い。
無駄のない動きでちょっとした列も出来始めてきた。
たこ焼きに集中する龍友の顔はやっぱ、カッコイイ。
屋台の熱さと龍友のかっこよさが合わさり
私にはもう火傷。
私の心臓はドキッと高鳴る。
そうだった!
私、龍友と回るんだぁぁぁ♡
幸せ…
今日は龍友、私の、だもん。
お昼を食べ終えて教室に戻ると
クラスメイトの1人から
この人の何気ない発言のせいで周りはザワつく。
最悪っ…
玲於とは仲良いけど決してそんな関係じゃっ…
そんな…言い方しないでよ。
大体、初めから貴方達のものじゃない。
玲於は。
そんな彼女たちにイライラして
ついつい大声で叫んでしまいその場はシンと静まる。
だから、嫌だったのにっ…
そういう男子の言葉が耳に入り
後ろを向いて
その隣には玲於がいて…
悲しそうな顔をする。
私達の空気だけになるように周りはさっきの空間に
溶け込んで行った。
私達だけ。
私達だけの空間。
そう言うと出し物の裏に入っていった。
どうしよ、私、変なこと言っちゃった。
玲於にまでどこかに行くと考えたら
いてもたってもいられなくなって
裏へ駆け込む。
そこには玲於だけしかいなくて
私の目を指で指す。
その後に流れる沈黙は非常に居心地の悪い空間。
私のこと無視なんかしたことないのに。
ずっとずっと私の話、聞いてくれたのに…
今は完全玲於は私を、無視する。
うっ…
もう、どうしよう。
傷つけるつもりじゃなかったのに。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。