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第16話

看病
あなたside
あなた

はぁっ、はぁっ…

学校から逃げてきた、いや、龍友から逃げてきた。
もう!私の馬鹿!!


何言ってんだろ!


抑えなきゃいけないのに。


どうしても溢れてくる龍友への思い。


直ぐに伝えられたらいいのに。


どうしてここまで拒むか。


龍友の恋を応援すると決めたばっかじゃないか。


それに、龍友に私の気持ちが知られたら


今の関係では居られなくなる。


それだけは避けたい。


電車に乗って、そこからも走った私。
近くのコンビニのドアで映る私。


前髪は走ったせいで勢いよく反りあがってて


制服は多少の乱れ。
ちょちょいっと整頓していたら


" 邪魔なんですけど "

あなた

ごめんなさいっ…

急いで退いて顔を上げる。
佐野玲於
どこにいても俺の邪魔するよな、お前って。
あなた

玲於!

マスクをして全身長袖の部屋着を着てだるそうに私を見る。
あなた

熱!大丈夫なの!?

佐野玲於
お前のその声で悪化しそう。
あなた

えっ、ちょっ、私は心配してるんだよ?

佐野玲於
有難いけど声がうるさい。
ペチンと私のおでこを叩いた。
玲於の手…熱い。


まだ、熱あるのに ~ !!!


ばか玲於!
コンビニに入ろうとする玲於を、止めて
あなた

待ってて!

佐野玲於
は?
玲於をこれ以上動かさないようにした。
て言っても、何買えばいいんだ?
薬…かな?
ちょっとだけ玲於を見るとやっぱ、ダルそう。
だめだめ。


ここまで気使わせてちゃいけない。
手当り次第身体によさげなものを買う。
あなた

お待たせ ~ 。

佐野玲於
……おめぇ、病人をいつまで待たせんだよ。
今にでも死にそうな声で睨む。


玲於は病人だとしても怖い。


理解した。
あなた

ごめんごめん、さ、家行こ。

佐野玲於
は?なんでお前が来んの。
あなた

看病だけど?

佐野玲於
来なくていい。伝染る。
あなた

病人は黙って看病されてください。

玲於の熱い手を引っ張って玲於の家まで歩く。
中学から知っている玲於の家なんか簡単簡単。
佐野玲於
ちょっと待ってろ…
あなた

え?

佐野玲於
片付けてないの。
あなた

いいよ、そんなの。気にしないで?

佐野玲於
いや、気にしないなんて無理なほど散らかってるから。
俺、一人暮らしだし。


ああ、そうか。


玲於、一人で暮らしてるのか。


すごい。
あなた

でも!いい!いいの!

佐野玲於
はぁ?
あなた

あなたは病人!これ以上動かないで?

佐野玲於
でもっ、お前っ…
無理に玲於の家に入る。


こうでもしないとここで長話してまた悪化するもん。
足を踏み入れると…
あなた

おお…素晴らしい、物の宝庫。

佐野玲於
褒め言葉になってねぇよ。あほ。
想像以上の汚さに唖然。
佐野玲於
おい、部屋見に来ただけなら帰れ?
あなた

あああ!やります!

キッチンに入らせてもらって袋から出す。
玲於はソファにゴロンと寝転がった。
あなた

玲於!ベッド!

佐野玲於
いい。めんどくさい。
あなた

ほらっ、早く行くよ。

玲於を連れてベッドへ。


もう、悪化しちゃ困るの!
ベッドサイドには水と薬。


一応飲んでたんだ。


よかった。
佐野玲於
何見てんの。
あなた

えっ、?

佐野玲於
もしや、寝室入って戸惑ってんの。
ドスンとベッドに腰を下ろした。
そう考えてみれば私は馬鹿か?


男子高校生、同級生を寝室へ連れてくる…


しかも、二人っきり。
あなた

あああああああああ!ごめぇん!!!

佐野玲於
うるせぇ!
私は一目散に退出。
キッチンに来てさっきの続きをやろうとしたら
あなた

痛っ…

勢い余って指を切った。
指からは血が出ていて結構痛い。


あああ、焦ってたからだ…


落ち着け、あなた。
ベッドに腰掛けた玲於の余裕そうな顔が浮かんできて


ボブっと顔に火がついた。