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第45話

道具。
今日は昨日より早く終わる。
あなた

よし、玲於、帰る…

佐野玲於
一緒に玄関行こ。
いつもなら言わないお願い。


言っても可愛くないお願いだけど今日は可愛い。
あなた

うん?

二人で廊下を横に並ぶ。


ちょっとだけ前を歩く玲於の足をみてた。
がに股…
佐野玲於
明日、やっとだな。
あなた

あ、文化祭か!

佐野玲於
お前、馬鹿じゃね?
あなた

馬鹿じゃない!

佐野玲於
老化始まったんじゃね?
あなた

まだですけど。

そうか、明日か。


私、、誰と回ろう
佐野玲於
…誰かと回んの?
あなた

候補なしです。悲しい。

佐野玲於
なら、俺候補入る。
あなた

…玲於が?

佐野玲於
だって、それ条件無しでしょ?
あなた

えっ、あ、ある!男以外!

佐野玲於
もうダメ。俺が言ったあとに言ったから無効。
あなた

もうっ。

佐野玲於
なに、そんなに行きたくなかったの。
急なSにちょっと萌えちゃう…


私って、M?
あなた

いや、、そんなことは…

佐野玲於
なら、空けといて。
あなた

は ~ い…

玲於と回ると付き合ってるみたいな感じで思われるし…


嫌とかじゃなくて


玲於、人気あるじゃん?


ファンからの視線が何よりも怖いんだよね。
佐野玲於
うわ、もう玄関。
玄関について、外で待つ龍友を靴を履きながら眺めた。


がたいがいい。
あなた

あ、そうだ、龍友待たせてたんだ。

佐野玲於
は、
あなた

じゃあね、玲っ…!

佐野玲於
行かせねぇし。
あなた

は!?

急に走り出すからびっくりだよ。


それに固く繋がれた手。


今日2回目!!
龍友の隣を無視するかのように玲於は走り去る。


まって、私はっ…!
数原龍友
あなた?
私の名前を呼ぶ龍友。


まって、そんな顔しないで。


なんで寂しそうな顔するの…?


私の方がもっともっと寂しかったのに。
約束守れなくて、、ごめんね。龍友。
龍友のことを見ず、玲於の背中を見て走った。


龍友がどんどん小さくなっていく。
私って、、最低だ。
それから、どこかに来たみたい。
あなた

ねぇ、玲於、どういうこと?

佐野玲於
どういうことって、こういうことじゃん。
あなた

私、約束してたんだけど。

佐野玲於
それは知ってる。
あなた

なんで?

佐野玲於
聞いてたから。
あなた

違う、なんで走ったの?

佐野玲於
…一緒に帰らせたくなかった
あなた

は…?

佐野玲於
あいつ気に入らない。
あなたのことただの相談道具みたいにしやがって、先輩がいなくなったらあなたに来て。
結局は使われてんだ。お前。
そう直入に言われ、私の胸はドクッと鳴る。


そうだよ…?


私は道具。


先輩のいない時の道具。


けど、
佐野玲於
そんなのでいいの?
あなた

…嫌に決まってるよ。
嫌だけど好きなものは好きなんだよね。私。

佐野玲於
そんなの俺だって一緒じゃん。
あなた

え…?

佐野玲於
俺はあなたが好き。
あなたを思って今走った。
…お前の悲しい顔は見たくねぇ。
そこまで考えてくれていたの?


私の泣く理由はいつも龍友だったから?


そんなの、困るな。


優しくされたら私って、、、単純。
佐野玲於
本気だよ、俺。
あなた

…伝わるよ。

佐野玲於
伝わってればいい。
玲於の横顔に当たる夕日はオレンジ色に輝いていた。