" さようなら "
そうHRが解散すればまた騒がしくなる教室。
あ、今日、玲於と
話しかければ耳にヘッドホンを付けて帰る様子。
そういうと鋭い目付きで私を睨みつけ教室を出ていく。
まって、そんな思いで玲於を追いかける。
歩くのが早い玲於。
よう呼んでも止まらない、
周りにキャーキャー女子が戯れる。
それを避けて、玲於に近づく。
やっと玲於の元に来たと思い、手を掴むと
面倒くさそうに私を見る。
軽く口喧嘩が始まり、周りにいる数名は私達を見てる。
そう玲於に言われてプツンと何かが切れた。
繋がっていた手と手もプツンと落ちた。
ストーカー?
私が?
するわけないじゃん。
だめ。
泣くな。
ここで泣いちゃ、玲於が悪者になる…
止めて!
自分を落ち着かせ、玲於に言った。
ド正論をぶつけられて何も言えない。
くやしいよ…
私だって。
玲於から離れて教室に戻る。
その途中。
呼ばれて振り返ると龍友がいて
本気で心配してくれて
優しい。
そんな龍友。
やっぱ、嫌いになんかなれない。
無理だ。
また、そうやって私の龍友に対する気持ちを
離れさせないようにする。
接着剤みたい。
少しの間でも泉さんと…か。
私の予想。
何から何まで辛い日。
助けてよ。
玲於。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。