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第38話

文化祭準備
あなたside
よしっ、準備頑張る!!
あなた

玲於 ~ 、ペンキ ~!

私達のクラスはフォトスペースらしい。


いわゆる、インスタ映えのコーナー。
今の高校生は映が狙いだと、周りの女子は呟く。
そうしたら私達のクラスは大繁盛だぁって。
佐野玲於
はい。
持ってきてくれた水色のペンキ。
あなた

ありがと。

空の色を塗る。
佐野玲於
手伝う。
あなた

え?

その場から切り上げてきた玲於は私の斜め前に座って


板に水色を塗り出したのだ。
あなた

いいよ、玲於、自分のとこやったら?

佐野玲於
一人だろ?俺んとこ何人もいるからいい。
優しいなぁ…


不意に見せる優しさにハマる人も多くある。
あなた

なら、お願いっ…ね?

佐野玲於
おうっ…
玲於が一緒にやってくれることもあり、早く進んだ。
ペンキが筆に足りなくなって


バケツに付けようとした時、
たまたま玲於と被って…


そうして、手が重なる。
あなた

あっ…ごめ…

佐野玲於
…ん。
顔を真っ赤にしてカスカスになった筆を動かす。
っ…可愛い…
あなた

ごめん、いいよ、玲於。

佐野玲於
ん…
もう、1文字しか話さなくなっちゃった…!
あなた

玲於、顔赤いよ?

佐野玲於
は?
あなた

どうしたの?

佐野玲於
うるさいな、
あなた

ふふっ

佐野玲於
お前のせいだわ、バカやろ。
正直、バカやろしか聞こえなくて


その前が分からない。
あなた

何って?

佐野玲於
なんでもねえっ、早くやれよ。
あなた

あ、はいっ…

やっぱ、玲於には逆らえないなぁなんて。
今頃、龍友何してるだろ。


ああああもう。


ダメだぁ、最近こういうことばっか考えちゃう。
佐野玲於
…考えてただろ。
あなた

え?

佐野玲於
アイツ、のこと。
ペンキを黙々と塗りながらもちょっと雑になる塗り方。
あなた

…お見通しだね。

佐野玲於
うわっ、言わなきゃよかった。
もっと雑になった。


ん?


まって、そこって…
あなた

あああ!そこダメ!!

佐野玲於
はっ!?
止めるのが遅かった…
あなた

そこ、違う色なの…

佐野玲於
え、まじ、悪ぃ…
仕方ないか…


塗り被せればいい…ね。
あなた

上から塗っちゃえば大丈夫だよ。

佐野玲於
ごめん。
あなた

いいって、もう!
謝る暇があるなら手!動かして。

佐野玲於
はい…
よしっ、頑張ろ。
すると
男子
堀田さ ~ ん。
あなた

ん?はい!

後ろで呼ばれ、ドアに近づくと
数原龍友
お ~ 、おったおった。
あなた

龍友?

数原龍友
今日一緒に帰れへんわ!
あなた

ああ、文化祭の準備?
それなら、私だって…

数原龍友
バイトが入っててん。
あなた

え…?バイト?

バイトなんか聞いたことない。


今までずっと龍友、そういうの面倒臭いってやらなかったのに。


急にどうしたんだろ。
数原龍友
実はな、始めた。バイト。
あなた

お金、必要になった?

数原龍友
ん ~ 、のちのちな。
あなた

そっか。

大体予想付いちゃったなぁ…
数原龍友
じゃ、ごめんな。
暗いから気をつけて帰れよ?
あなた

うん、ありがとう。

最後には私の弱い数原スマイルを私に浴びせ、帰ってった。
はぁ、罪深っ…
とぼとぼ玲於の元に行く。


教室には一人二人。


やっぱ、もう終わらせて帰らなきゃだね。


私達ももうすぐだし…!
けど、全く塗った範囲は広がってなくて
あなた

玲於、進んでない?

佐野玲於
あ、ごめん。
あなた

も ~ 、暗くなっちゃうよ?

バケツに入れて置いた筆を取り出そうとしたら
佐野玲於
なぁ、あなた。
外から窓へと伝わった夕日に照らされて綺麗に映る玲於の顔。


私の腕を掴んだ。
あなた

ど、どうした?

佐野玲於
俺の気持ち弄んでんの?
そういう玲於の顔は男でつい見惚れてしまうような雰囲気。
あなた

え?

佐野玲於
俺、好きなんだよ?あなたのこと。
あなた

うん…それは、前にも…

佐野玲於
アイツと帰れなくて寂し?
寂しい…
あなた

…いやっ

佐野玲於
ああああ、ごめん。
急に私の手を離して頭を抱える。
あなた

うん、大丈夫だけど…

佐野玲於
もう、わかんね、自分が何してんのか。
私もなんか玲於に悪い気がして…
あなた

なんか、ごめん…

佐野玲於
なんで謝んの。
あなた

いや、何となく…

お互い落ち着き、玲於のもたれる壁に私ももたれた。
佐野玲於
アイツ、バイト入ったの?
あなた

らしい。今までやったことないのに。

佐野玲於
それ、先輩の為じゃね?
あなた

…知ってるよ。

佐野玲於
あ、知ってた…?
あなた

大体予想付いたもん、

佐野玲於
だよな、俺だって…
あなた

はぁ…私だってもう忘れたいなぁ…

佐野玲於
アイツのこと?
あなた

うん
忘れれるなら忘れたい、

忘れようとすると強く脳に残るってこういうことだ。


思い出さなきゃいいのに。


やっぱ、不意にでも浮かぶのは龍友の笑顔。
それと、泉さんに告白した時の優しい顔。
今でも思い出す度泣きそうになる。
あなた

やだ、な…行かないで。龍友。
どうしよう、玲於。

佐野玲於
は…、
あなた

私、もうわかんなくなった…

お互い向き合えば玲於は視線を少し下に向けた。
佐野玲於
なぁ、
あなた

ん?

佐野玲於
忘れさせてあげよっか。
あなた

え?

佐野玲於
その代わり俺の事だけしか
考えられなくなるけどいい?
あなた

玲於…だけ?

佐野玲於
うん。いい?
私は衝動的にコクリと縦に頷いて
迫ってくる玲於の整った顔。


ああ、そういう事か…


私は否定する宛もなくそのまま拒まなかった。
影に映し出される私達。


映画のワンシーンみたいで ────────
まさか、あの人がいるとは知らず…