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第31話

一瞬のこと
成瀬 泉
どうしたの?龍友?
あなた

あ ~ 、はい…一応。

ああああ、被っちゃった…


恥ずかしいじゃん、
泉さんの手元には大きな袋。


薬らしき箱も入っていたから間違いなくお見舞いだろう。


龍友は泉さんに頼んだのかな…
持っていた泉さんよりも小さな買い物袋を後ろに隠した。


ドアから離れて手すりを背景に。
成瀬 泉
龍友熱出しちゃったみたいね、
あなた

…ですね。

成瀬 泉
大丈夫かしら。
あなた

龍友、あんま熱出さないから心配でっ…

成瀬 泉
あなたちゃんもお見舞い?
あなた

いやっ、

そんな顔で見ないで欲しい。


龍友に頼られず泉さんに頼られてしまった


自分の不甲斐なさに落ち込む。
あなた

ただ、買い物の寄り道で…

成瀬 泉
あ!そうなの。大変ね。
あなた

いえ!大したことないですよ。

成瀬 泉
よし、じゃあまたね。あなたちゃん。
あなた

はい!また!

泉さんがインターホンを押した。


すると、声が聞こえた。
数原龍友
はい…
やっぱ、元気ない声。
成瀬 泉
私、泉!
数原龍友
泉ちゃん?
成瀬 泉
熱大丈夫かなって…
数原龍友
ああ、大したことないで?
成瀬 泉
お邪魔していいかな。
数原龍友
汚いけどそれでもええなら。
入れちゃうんだ…
階段を降りていると聞こえてくる会話。


なんでこういう時だけ聞こえるの。


嫌なのに、
はぁ、結構な、痛い出費。
結局使わなかったら意味の無いこの物。
お小遣い…飛んでった…
…泉さんはそんなことないんだろうな。


こんなお見舞いの物ぐらい安いって思うかな。
もやもやして仕方が無い。
ジリジリと熱い光が私を指す中一人寂しく歩いた。
電車に乗れば人口密度の関係で熱くなる。


はぁ、暑い。
地元に着くとやっぱ、落ち着いた。
けど、どこかまだ落ち着けてない。
あなた

なんで泉さんなの ~ …

近くにある公園に腰掛けて思った。
泉さんより私の方が隣に居たのに。


誰よりも話して笑いあったのに?


一瞬の一目惚れで私はそっちのけにされ相談にも乗った。


私って結構優しいと思うんだけど!!
なんて自分を褒めても何出てこない。
熱中症になりそ ~ 。
佐野玲於
おい。
あなた

え!

突然後ろから話しかけられびっくり。
佐野玲於
こんな暑いとこで何してんの。
あなた

いや、色々ありまして…

佐野玲於
どうせ、俺にとって腹立つものだろ。
あなた

別に玲於は関係ないよ?

佐野玲於
それが意外と関係あるんだな。
リュックとタオルを肩からかけて
あなた

ダンスの帰り?

佐野玲於
お、よく分かったな。
今日はめちゃめちゃハードだった。


と、話し出す玲於。


意外と長かったりする。笑


予想通り五分は話してくれたかな。


でも、楽しいから、聞いているの。


こっちの方が。
佐野玲於
んで?お前は?
あなた

え?

佐野玲於
そんな買い物袋持って。らしくない。
あなた

らしくないは余計じゃない??

佐野玲於
買い物なんかしねぇだろ。
あなた

うん、しない。

佐野玲於
それを言ってんの。
あなた

実はね今日龍友のお見舞いに行こうと思って

佐野玲於
アイツ体調悪いの?
あなた

うん、38.8でやばい?って
聞いてくるぐらい阿呆な龍友さん。

佐野玲於
ふはっ、それは相当なあほ。
あなた

ちょっと傷つく…

佐野玲於
なんでお前なんだよ!
あなた

…好きだから?

好きな人が貶されるとやっぱ、辛いなぁ。


って自分もアホって言ってたけど…笑
佐野玲於
ふん、で?
あなた

んで、買い物行って龍友のとこ着いたの。
そしたら後ろから私より倍の大きさの袋を
持って現れたのが泉さん!!

佐野玲於
何その話…笑
あなた

あっ、って、私、察したよ?
ここに居るのは私じゃないんだなって、

徐々に滲む私の目。


やだなぁ、
佐野玲於
で、
あなた

やっぱ、龍友も私より泉さんが来てくれた方が嬉しいもんねって自分を励ましてた。

ついに流れた涙。
佐野玲於
、も ~ 、なんで泣くかな。
あなた

…悔しいの。

佐野玲於
え?
あなた

ずっと一緒に居たのに一瞬のことで
泉さんに取られたの。

佐野玲於
それは龍友が…
あなた

龍友のばか…

今までにとどめてあった想いが溢れてくる。
素直に伝えれたらいいのに、
あなた

好きなのになぁ…

すると視界が思いっきり変わって
気づいたら玲於の腕の中。
あなた

え?玲於?

佐野玲於
…そんなに辛い?
あなた

玲於っ、何?

佐野玲於
聞いてんの、そんなに辛い?
玲於の言葉の圧に負け
あなた

うん、すっごく。

佐野玲於
…ならさっ、
あなた

ん?

佐野玲於
俺は駄目なの?
あなた

…え?

佐野玲於
俺、ずっと好きなんだけど。
あなた

ちょっ、と?玲於?

突然の告白に私は唖然。
佐野玲於
龍友見てて辛いならやめなよ。
楽になればいいじゃんか。
あなた

でもっ…

佐野玲於
俺、待ってるよ。いつでも。
あなた

いつでも?

佐野玲於
お前がいつ俺に気持ちが向いてもいいように
構えて待ってるからよ、
それは、私が自分勝手みたいになる、


そんなの、玲於に申し訳ない。
あなた

それじゃ、玲於ずっと待ってなきゃいけないよ。

佐野玲於
…なにそれ、振られた?俺。
あなた

いや、そういう事じゃなくてさ!
待たせちゃうよ?ってこと。

佐野玲於
ん ~ 、できるだけ早めでお願いしたい。
あなた

…覚えとく。

私達は離れた。


ちょっと気まずかったけどやっぱ、長年の仲は落ち着く。
あなた

送ってくれてありがとう。

佐野玲於
はいはい、またな。
手を振って玲於を見送った。
それにしてもびっくりだな…


玲於が私を…