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第19話

わがままさん
龍友side
泉ちゃんとお茶中に1本の電話が。


あ、あなたやん。
数原龍友
はいよ ~ 。
軽々しくいつものように声をかけたら
追われてる…だとか言い出して僕の心臓は高く波を打つ。
成瀬 泉
どうかしたの?
目の前で心配そうに見上げる泉ちゃん。
数原龍友
あなたがストーカーにあっててん。
やで、今から行かへんと…
成瀬 泉
私は…?
数原龍友
え?
なんて普段出さない寂しそうな顔と声。


ビックリしてえ?と聞いてしまった。
成瀬 泉
私は置いていくの?
数原龍友
置いていくも何も…
命が先やと僕は思ってます!
ごめんなさい、今回は行きます。
はぁ、僕は絶好なチャンスを逃した。


せっかく泉ちゃんの距離が縮むはずやったのに。


けど、、何故かあなたが追われてる


そう聞いた時は無性にも腹が立ち、焦った。


焦る気持ちを越して不安定にもなりそうやった。


泉ちゃんに頭を下げて出てきたカフェ。
今すぐ僕が言ったらんとダメな気がしてん。


早く、早く、


と、自分を急かすように走った。
あなた

龍友っ、今、スーパー…

そう携帯から声があって
数原龍友
わかった、今から行くわ。
さっきよりもスピードを上げてスーパーに向かった。
スーパー特有の音が流れる間、僕には心臓の音しか聞こえなかった。
数原龍友
あなたっ…どこや。
どこにおるんや。


まだ、不審者おるかもしれへんのに。


探してあげへんと…
目を凝らしてあなたを探していると
あなたらしき人が携帯を握りしめて端にいた。
僕はすぐさまあなたに駆け寄った。
数原龍友
あなた、大丈…
あなた

龍友…

泣きそうな顔で僕に抱き着いた。
数原龍友
おっと…
積極的。
なんて言ってられへん!!!
数原龍友
大丈夫や。もう心配ないで?
僕もあなたの背中に手を回す。
あなた

本気で…死ぬかと思った…

力の抜ける声で話す彼女を見てると愛しくなってきた。
数原龍友
死んでないで安心しや?
あなた

うんっ…龍友のおかげ。

僕の胸の中で話すから振動がこそばゆい。
僕から離れたあなたは顔を真っ赤にしながら


手は震えたまま。
数原龍友
怖かったな。
声は出さず頷く。
なんやろ、この母性本能みたいな感覚。
守ってあげてぇ…そう思う。
あなた

ねぇ、龍友。

数原龍友
ん?
あなた

一緒に帰って欲しい。

普段は言わないあなたのお願い。
数原龍友
当たり前や。
あなたの頭を撫でれば嬉しそうに笑う。
僕は震えるあなたの手を取ってスーパーを、出た。
あなた

龍っ…

恥ずかしそうに照れるあなたをいじめたくなって


恋人繋ぎしてやった。
数原龍友
何?
あなた

いやっ…その…手…

数原龍友
ん?恋人繋ぎ?
あなた

そ、う…

数原龍友
ええやん。あかんの?
別に繋いだらあかん理由なんか無いしな。
あなた

あかん…

ぶぉっ、?


なんや?今の方言。


めちゃめちゃ可愛い。萌える。
数原龍友
…エセ関西弁。
そう言って恋人繋ぎから普通の繋ぎ方にした。
なんかこのままやとあかん気がしたから。
あなた

外した…の…

数原龍友
嫌なんやろ?
あなた

誰も嫌なんか言ってないよ。

泣きそうな目で僕をみつめる。
数原龍友
ならして欲しいん?
彼女は下を、向いて小さく頷く。
なんか今日はあなたが愛しくてしゃあない。
数原龍友
ワガママさんやなぁ。
ぎゅっと握ってやった。


ありがとう、そう呟くあなたに心臓は高く跳ねた。
実は言うと僕だって緊張して照れてしまいそうで、


ずっと堪えてんやで。