火曜日。
なんにもない日。
カレンダーを指でなぞり来週の月曜日を指差した。
私の可能性は月曜日だけなのに。
他の曜日なんて会えるか会えないかわかんないもん。
会えない確率の方が断然高い。
けど、
私はいつもより遅く学校へ向かう。
相変わらずの玲於はまた遅い。
本当に生徒会か?
最近、疑うようになってきた。
それをどうして舞に言うのか
理由は定かではないが舞にこの極秘任務がバレているのも確か。
それぐらい知ってるんだから。
と、胸を張る。
HRのチャイムの前にギリギリで入ってきた玲於。
相変わらずの寝癖。
隣にねむそうに座る。
ほんっと、朝は機嫌悪い。
.
昼食の時間。
いつも自分で作って食べている舞。
珍しいなぁ。
忘れるなんて。
寝坊したんだとか。
私達は学食へ。
沢山の人集り。
1年から3年一気に押し寄せるこの空間は苦手。
そんな中。
人で溢れている中、見つけたのは龍友。
ちょっと声を張るとどこから呼んでいるのか探している龍友。
かわいい。
近寄って、龍友に話しかけようとした。
近くに寄った瞬間。
後ろにいた泉さんに話しかけた龍友。
足も手も何もかもが止まって龍友を見つめる。
泉さんはもう後ろ姿からもわかるほど美人。
もちろん、顔も美人でスラッとしている。
その二人が話す空間は私が龍友と話す空間とは掛け離れている。
悔しい…
辛い。
離さないで?
そんな独占欲が湧き出てきて
放課後調べようとしている泉さんのことも。
何故か嫌になって
これは自分の為でもない。
ただの、自己満足。そのものだと確信した。
目から伝わる涙。
龍友と泉さんが話す度奥から滲み出る。
はぁ
また、思いは遠のくばかり。
急に手を取られ足をおぼつかせた。
目は合わせない。
え?
何?
人混みで聞こえない。
そうはっきり聞こえた。
やっぱ、玲於からも呆れられてる。
はい、座って。
と、座らされた。
前に座る舞。
その横に座る玲於。
言われてピンと伸ばす背筋。
はぁ、恥ずかしい。
狙われた。
玲於くすくす笑ってる。
買ってきてくれたパン。
何があったの?とは聞かず
二人は黙々といつもの様に口に運ぶ。
良かったな、この二人が友達で。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!