玲於side
あなたに寝室に連れてこられてまじニヤつきそうだった。
この感じどう考えても誘ってるにしか思えなかったよ?
後ろ姿とかまじ可愛すぎて…って、はぁ。
舞い上がっては落ちる。
そんな現実との戦い。
隣で 好きな子 が俺のために作ってくれている。
と考えてみると悪くない。
むしろあり。
そう俺を呼ぶあなた。
だるそうに返事すると
チラッとドアを開けて
" 大丈夫? "
と、聞いてくれてその姿にもまたぞっこん。
ニコッと笑うあなた。
いつからだろうか。
こんなにあなたにハマってしまったのは。
よく見る漫画のシチュエーションを今体験…
病人を使えば納得してスプーンを手にしお粥を掬う。
そしてその手が俺に向いた時、
自分から仕向けたのにドキドキしちゃって…
目を瞑った。
ぱっと開けるとあなたがクスクス笑ってて
なんかあなたといると余計に熱上がりそう
いて欲しい。けど。
我慢。
ドア付近で俺を指さす。
ガチャとドアの音がして一人だということを味わう。
ベッドサイドにはあなたが作ってくれたお粥。
にやけてしまわないように自分の口を片手で抑える。
けど、一つ気に食わないこと。
今日の昼。
俺が熱でぶっ倒れそうになったとき。
アイツにも運んでもらったこと。
もちろん感謝はしているが…変なプライドが邪魔する。
カッコわりぃなぁとか…
運んでくれるならあなたが良かったなぁとか…
欲張りなことばっかだけど。
早く、俺に向かないか ~ ね、
叶う要素は1ミリも無く
ただ、鼻で笑うことしかできなかった。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。