9.20

ついに、この日が来ました。

集合時刻は13時。

今、10時。

楽しみにしていたこの日が来た。

この日のために用意した服。


うん、大丈夫。

鏡の前で何度も何度も確認する。


髪の毛もボブだからコテを使ってアレンジ。


それにしても、龍友に変に思われないかな、とか考えちゃう。

早く、来ないかな、

.

会場に着くと


入口に舞がいた。


その隣には…ん ~ 、誰だろ。わかんない。

駆け寄って抱き合う。


はぁ、久しぶりすぎて感動。

会いたかった。

そしたら、

ひょっこり出てきたのは…


玲於…？

すっごく大人になった玲於。


かっこいい。

黒髪だった玲於が茶髪になってた。

それ、褒めてくれてる？

会わないだけで話し方がわからなくなる。

玲於が顎で指示した先には

…！

呼ぶと

お互い大きく手を振って龍友がこっちに来る。


やばい、可愛い。

龍友が一旦止まった。


ん？


どうした？

抱き着きに行こうとする龍友を頑なに拒む玲於。

この二人見てたら面白い。

そして、始まった同窓会。

ムードメーカーのメンディーくん。

龍友は私の隣にいて

メンディーくんに大して結構な辛口龍友。

カチンと触れ合うグラスたち。


一瞬でざわつき出す。

クラスメイトや友達と


高校時代の事を思い出して笑う。


あの頃、ああだったよね。


とか


文化祭楽しかったね、


とか。

もう、楽しすぎて舞い上がってた時。

私の名前を呼ぶ龍友。


来てくれればいいのに。

グラスを持って龍友に近づくと


グラスを近くにあった机に置き、

どこかで見たことのある光景。


それは…


高三。


文化祭の片付けの時。

あの時と、一緒だ。

変わらない龍友の後ろ姿。


ガタイが更に良くなった。


首元の襟足。

全てまだ脳に鮮明に残っている。


消えない宝物。

人が私達の走る場所を作る。


みんなに見られてちょっと恥ずかしい。


その中に、玲於もいて。

目が合うと


"  頑張れ  "


そういうように頷いてくれた。

最高の友達。

そして、繋がれてる左手。


変わらない温かさ。


好きだな。


ふと思った。