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第37話

ハンカチ
龍友side
数原龍友
なんなん、あいつ。
あなたのクラスに行けば僕を、睨んでくる男。
玲於だとか言っとったなぁ、と思い出して
数原龍友
玲於ちゃん、
そう呼ぶようにした。
そしたら、嫌そうに  は? って。
なんか、面白いなぁ、この子。


思いながら、さっき追い出されもう一度来てみた。
ほんならな?
僕そっちのけで玲於ちゃんとあなたが話しとった。
仲良さそうなふたりの間に入ることのできない僕。


初めての感情。


どこにも逃げ場のない空間。
僕はポケットに手を入れてUターンした。
あなたは僕のそばにいてくれると思ってたのに。


って、それはまずいか。


僕、泉ちゃんのこと好きや言うたのにあかんな、
教室に戻れば騒がしい僕のクラス。
小森隼
あ!龍友くん、来た!!
関口メンディー
龍友早く!
数原龍友
なんやねんもう!
特にこいつら、隼とメンさん。
いつめん?みたいな感じ。
小森隼
はい!さっき泉さんが持ってきてくれたよ。
隼から渡されたのは
可愛い袋。
いかにも、泉ちゃんの愛用してそうなブランド。
こいつらの前では出さへんけど内心嬉しい。
開けてみたら
数原龍友
ハンカチ…?
薄い青色のハンカチ。
小森隼
お、泉ちゃんセンスある。
関口メンディー
トイレで手洗っても拭かない龍友にピッタリだ。
数原龍友
ほんま、うるさいな。
可愛らしいものをくれた。
数原龍友
後でお礼言いに行こっと。
小森隼
なら、俺もっ…
数原龍友
だめ。
小森隼
え ~ 
関口メンディー
隼だからダメなんだよ、ということでお…
数原龍友
メンさんが一番はダメ。
関口メンディー
はぁ!?
いつ言いに行こうか、


考えてたらHRが始まった。
先生
明日からは、文化祭の準備が始まるぞ。
サボらずクラスのために頑張るように。以上。
準備始まるん!?


はっ、聞いてへんし。


バイトいれてもうたわ。
クラスが一気に解散し
小森隼
楽しみっすねぇ、準備!
数原龍友
どこがやねん。
関口メンディー
なんかワクワクするよなぁ!
小森隼
しますよね。
数原龍友
バイトいれてもうて、多分明日は残れへんわ。
小森隼
えぇ、メンさんと二人きりとかメンタルやられる…
関口メンディー
おい、
って、こんなことしとる場合じゃないねん。


早く、泉ちゃんのとこ行かへんと…
数原龍友
じゃ、また明日な!
小森隼
ばいば ~ い。
関口メンディー
またな。
教室を出て真っ先に向かう屋上。


屋上は僕らの集合場所となっている。
階段を登ってドアを開ける。
数原龍友
泉ちゃん…?
いつもすぐに帰ってくる可愛らしい声は聞こえない。


ただ、ひとつ聞こえるのは
成瀬 泉
ごめんなさい、応えられない。
悲しそうで誰かに話しかけている声。
男子
なんで?好きな人でもいるの?
あ、分かった、あのイカつい人でしょ。
ん?


いかついやつなんかいくらでもおるけど?


あえて、僕を想像した自分自身。
成瀬 泉
…うん。
うっ…?
男子
えっ、数原龍友ってやつ!?
僕の心臓はバクバクと音を立てる。


おい、男子よ、そんな驚くか?
成瀬 泉
だとしたら?
うっ…やばい。


嬉しすぎるやん。
男子
なんで?
あいつ怖いでしょ?
いっつもそう、


見た目だけで判断されるんや。


けど、泉ちゃんは違う。
成瀬 泉
龍友くん、優しいよ。すっごく。
友達の少ない私に声掛けてくれてさ。
しかも私達先輩後輩なのにだよ?
そんな関係なのに話しかけてくれるなんて
優しい以外なんでもないよ。
長々と僕について語ってくれたけど…


恥ずかしすぎてやばいねん。
成瀬 泉
あと、一緒にいて楽しいから…
ノックアウト…
男子
そ、そうか!ごめんね。
成瀬 泉
うん、こちらこそ。
こっちに向かってくるのか!


すぐさま横にあった掃除ロッカーに身を潜めた。
ドアを開けて悲しそうな顔で降りていく。


はぁ、ごめんなぁ、君。
僕は一目散に泉ちゃんの元へ走った。
はぁ、どんな顔して会ったらええんやろ ~ !!


絶対顔にやけとるよなぁ…笑