第53話

ラブソング
410
2021/09/07 11:45



鈴ちゃん、いや、ベルは、竜の城の中の廊下に座り、胸を抱いて、泣いていました。

切なく、苦しそうに。
当てた手を広げると、胸にあざのような丸い方ができていました。
その丸い跡は、ぼんやりと暖かな光を放っています。

ボディシェアリング技術では、例えば怪我をしたら生体情報のなかから炎症反応を拾って可視化しますが、心の痛みも、同じように生体情報の数値が変化をきたして、それを形に変換するのでしょうか。



ギイイイイ……



天使Asが扉を開けて手招きを振るので、私たちは扉に近付き、両手を当てました。

少し躊躇しながら。
_Bell@ベル_
Bellベル
……………………



ギギギギギ……
_Bell@ベル_
Bellベル
……あ
(なまえ)
あなた
あ、写真……?
これは……?
_Bell@ベル_
Bellベル
……女性?
…………
…………!!
(なまえ)
あなた
どうし……
あ、竜……
_Bell@ベル_
Bellベル
あざ…………
あっ!!
竜
触ルナ!!
_Bell@ベル_
Bellベル
ごめんなさい
そのあざ……
竜
醜サヲ笑イニ来タカ!?
_Bell@ベル_
Bellベル
違う!
(なまえ)
あなた
そんなこと……するはずがないよ…
_Bell@ベル_
Bellベル
そのあざ、痛い?痛いんだよね………?なら、もう乱暴なことはしない方が
竜
君ハ何モ分カッテイナイ
_Bell@ベル_
Bellベル
じゃあわかるようにちゃんと聞かせてよ!
竜
モウ出テイケ!!



ウオオオオオオオオッッ……!!


「出テケ!」
「出テケ!!」
「出テケ!!」




人魚たちが、蔑むように言葉を投げつけてきて、悔しさで、たまらない気持ちになりました。

でも、今のわたしたちにはこれ以上、何もできない、そう判断し、何も言わずに、城の外へ出ました。




「待て」



その言葉に体が硬直しました。
ジャスティス軍団がやってくる。
私たちは背を向けたまま、フードで顔を隠し、身を縮めていました。


「ここで何をしていた?」
「誰かを見たか?」
「それは醜いモンスターか?」



何も答えませんでした
そのかわりタイミングを見計らい、逃げ出そうと試みましたが、すかさず隊員のひとりが手を伸ばしら私たちのフードを力任せに引っ張りました。


また別の手が伸びて来て、髪を鷲掴みにしました。
_Bell@ベル_
Bellベル
ああっ!!
(なまえ)
あなた
あっ……
ジャスティン
ジャスティン
君たちは……、ベルとあなたのOZアカウント名か?
なぜここにいる?
_Bell@ベル_
Bellベル
………
ジャスティン
ジャスティン
言わないつもりか?なら
_Bell@ベル_
Bellベル
あ……!?
ジャスティン
ジャスティン
言わないなら、オリジンに聞く
(なまえ)
あなた
あ、や、ヤバ…
_Bell@ベル_
Bellベル
あああ……ああ……ああ…………!!
ジャスティン
ジャスティン
竜!!


「奴だ!」
「追え!」
「追え!!」

(なまえ)
あなた
あっちょっと待って!
_Bell@ベル_
Bellベル
危ないからっ
(なまえ)
あなた
……ひどい……
何もあそこまで蹴ったり殴ったりしなくても……



「なぜやり返さない?」
「怖気付いてる」
「チョロいな」
_Bell@ベル_
Bellベル
……………!!
あっ!!



「!?」

「わああああっ」
竜
グアアアアッッッ……
_Bell@ベル_
Bellベル
ぶつかる!
(なまえ)
あなた
っ!
竜
ヴヴ……、ヴヴヴ!!
ジャスティン
ジャスティン
竜ハどこだ!?どこだ!?



「……竜!!」
竜
ハァッハァッハァッ……
(なまえ)
あなた
だ、大丈夫……?
竜
来ルナ!!
……アッチヘ行ケ
ハァッ、ハァッ
_Bell@ベル_
Bellベル
……………
あなたのこと、前より少しわかる
竜
……!?
_Bell@ベル_
Bellベル
本当に傷ついてるのは、ここね?
竜
……………!!
_Bell@ベル_
Bellベル
助けてくれて、ありがとう
(なまえ)
あなた
私も、ありがとう
竜
………ベル、あなたのOZアカウント名
(なまえ)
あなた
コクリ
_Bell@ベル_
Bellベル
コクリ




一人にして欲しいと あなたは突き放すけれど
本当は胸の中にあるものを 覗かれたくないのでしょう

怒り 恐れ 悲しみ
抱えきれぬ夜
でも口にできない

聞かせて 隠そうとするあなたの声を
見せて 隠れてしまうあなたの心
_Bell@ベル_
Bellベル
わああああ……!!
(なまえ)
あなた
バラの花びらのドレス……
天使
天使
「秘密のバラ」は気に入った?
_Bell@ベル_
Bellベル
素敵
(なまえ)
あなた
嬉しい


一人で生きてゆけると あなたは言い放つけれど
本当は何度も自分に言い聞かせた 夜があったのでしょう

けどね あなた あなたを
どんなあなたでもみたいと
いつも考えてしまう

聞かせて 隠そうとするあなたの心 聞かせて
どんなことからでもいい 最後まで聞くから
聞いて 傍にゆきたい あなたの心
(なまえ)
あなた
素敵なダンスね
ベルと竜にぴったりね
あなたもそう思わない?天使
天使
天使
思う
(なまえ)
あなた
あ、あれは……キスするつもり……?
ふふっお預けされちゃった
[城-バルコニー]
竜
ウ……ウウ………、ウウウ……ウウ……
_Bell@ベル_
Bellベル
どうしたの……?ねえ……
(なまえ)
あなた
大丈夫?
竜
グッ……!!グッ……!!グッ……!!グッ……!!
_Bell@ベル_
Bellベル
何が……、起こっているの……?
竜
見……ルナ……!!
_Bell@ベル_
Bellベル
あなたは……、誰……?
(なまえ)
あなた
……………
竜
……………