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第1話

神威〜1歳①〜
824
2019/01/29 13:49
江華side


「俺と死ね。」

私はふと、この言葉を思い出す。
あのハゲが、いわゆる"プロポーズ"の言葉として、私に言ってくれた言葉だ。

あいつが教えてくれた惑星・地球ではプロポーズの際、『結婚してください』と言うのが無難らしい。照れ屋であるハゲらしい言葉だ、と今思えば少しだけ笑える。

「かしゃ?(かあさん?)」
「···ああ、悪いな、神威。どうした?」

どうやら私は生後1歳と3ヶ月になる、息子の神威を抱っこしながら考え事をしてたらしい。すまなかったな···神威···。

「としゃは?(とうさんは?)」
「ハ···父さんなら、もうすぐ帰ってくるよ。母さんと一緒に待ってようか。」
「ごは!(ごはん!)」
「え、もう?ご飯はまだ早い···かな···。」

そう。今はまだ午後4時。夕飯は早すぎる。というか、神威は30分前におやつのパンを5個は食べたと思うんだが···。

ハゲに似て、通常の夜兎よりかなり大食いな神威は、すぐご飯を欲しがって泣くから、かなりの手間がかかる···。

そして、今日は神威だけでなく、私も早くハゲに帰ってきてほしい。見せたいものがあるから_______________。

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