第143話

傷つけたくないのに。
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2023/06/06 03:17
深澤side
あーっ、俺って何で……またあなたを傷つけた。






時を遡ること1時間くらい前、
俺たちがワクワクして海鮮丼を待っているときだった。
私
今日は本当にありがとね。
忙しいのに時間作ってくれて。
深澤辰哉
深澤辰哉
全然、あなたのためなら忙しくても
時間作るって決めてるから!
私
ふっかそんなに心広い人だったっけ?
深澤辰哉
深澤辰哉
前から広い男だわ!笑
なんて何気ない会話で盛り上がっていると、
空気の読めない機械音が個室に鳴り響いた。


ピロリンピロリン…ピロリンピロリン…
深澤辰哉
深澤辰哉
あ、マネから電話だ…ちょっと席外すな。
私
分かった、行ってらっしゃい!
深澤辰哉
深澤辰哉
おう、
あなたに「悪い」と手を合わせてトイレに移動し、
人がいないことを確認して電話に出た。
深澤辰哉
深澤辰哉
📞はい、深澤です。
マネ「ふっか、今からテレビ局来れる?」
深澤辰哉
深澤辰哉
📞え、急だな…何かあった?
マネ「それがさ、収録前にアンケートをお願いしたい
   って急に番組側が言ってきて…」
深澤辰哉
深澤辰哉
📞うん、
マネ「30分早く楽屋に来てくれませんかって。」
深澤辰哉
深澤辰哉
📞事前の言われてなかったの?
マネ「うん、番組が収録内容を変えた影響らしい。」
深澤辰哉
深澤辰哉
📞なにそれ…マジか…
マネ「あなたさんとの時間削ってごめんな。」
深澤辰哉
深澤辰哉
📞これからあなたに伝えてそっち向かう。
マネ「了解、ほんとごめん。」
深澤辰哉
深澤辰哉
📞マネさんは悪くないから謝るなー!
深澤辰哉
深澤辰哉
📞じゃあ着いたら連絡する。

…どうしよう。
まだ海鮮丼見てもないし、食べてもない。

海鮮丼を食べて「美味し〜!」と目を輝かせる
あなたの笑顔を1番に見たい。

でもマネや関係者さんたちを待たせてる。


俺は腹を括ってあなたのいる個室へ戻った。
私
おっ!おかえり〜!
私
電話大丈夫だった?
深澤辰哉
深澤辰哉
ん、大丈夫…ではなかった。苦笑
私
え!どしたどした⁉︎
深澤辰哉
深澤辰哉
あのさ、本当に申し訳ないんだけど…
深澤辰哉
深澤辰哉
仕事が早まってこれから
ここを出なきゃいけなくなった…
深澤辰哉
深澤辰哉
本当にごめん…
私
そっか…残念だな…
私
でもこれだけはしょうがないよね!
仕事頑張って!
深澤辰哉
深澤辰哉
あなた…本当にごめん。
今度お詫びさせて…!
私
そんなの気にしないでよ〜
海鮮丼はふっかの分まで食べとくから!
深澤辰哉
深澤辰哉
ありがと…悪い、行ってくる。
私
うん、いってらっしゃい!
個室の扉を閉めるときに見えたあなたの笑顔の奥には
悲しんでいるあなたがいるような気がした。









あなたside


しょうがない。しょうがないって分かってるけど、
どこかで残念だなと思っている私がいる。


店員「お待たせいたしました!
   北海道丼とサーモンいくら丼ですっ!」
私
ありがとうございます…
本当だったら「わー!美味しそう!!」って
2人してパシャパシャ写真撮ってたのかな。

ふっかの分まで丼物食べるって言ったけど、
胃のキャパ的に限界が絶対あると思う…苦笑

残すのは勿体無いし、まずそんなことできない…


綺麗に輝くいくらを見つめながら色んなことを
考えていると、


トントントン


と個室の扉を叩く音がした。


誰?店員さん?


シルエットだけでは誰かわからなかったため、
緊張で少し背筋を伸ばしながら
私
はい…
と返事をした。


そして扉が開き、中に入ってきたのは…
























阿部亮平
阿部亮平
よっ!阿部です。笑
あざとく私に手を振る阿部ちゃんだった。





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