あなたside
男「そんなこと言わないでさぁ、遊ぼうよ〜」
強い女を熱演しているが、内心はもうビクビク状態。
お願い…助けて…
そう思いギュッと目を瞑ったときのことだった。
男「は?お前誰だよ。」
私の待っていた救世主が登場した。
男「なにブツブツ言ってんだよ、お前邪魔なんだけど。」
「お姉さんごめんね、取り乱しちゃった。」
男「お前には関係ねぇだろ、どっか行け。」
「お姉さんそこのカフェにでも行かない?」
男「なんだよお姉さん彼氏いたのかよ。」
「しかも、よりによってこいつって…」
「お姉さん見る目ないわー笑 俺の方がっ…!」
パチーン
ふっかが拳を振りかざす前に私が男の頬を叩いていた。
男「あーあ、声掛けて損した。」
チャラ男は左の頬を押さえて街の中に姿を消した。
緊張から解放されて足の力が抜けた私は
その場にしゃがみ込んだ。
ふっかはそう言って私を包むように抱きしめた。
ふっかは私の肩に顔を埋める。
耳の熱を吸収したピアスが私の頬に触れた。
いつにも増して凛々しい目。
私もふっかのこういうところに惚れたんだ。
まぁ本人には言わないけど。笑
私はふっかの後ろをついて行くようにして
建物の中に入った。
私はふっかと手を繋いでご飯屋さんへ向かった。
ふっかが立ち止まったのは、
まさかの私が食べたかった北海道の海鮮丼屋さん。
しかも、北海道からの1週間限定の出店らしく
お店の前にはたくさんの人が並んでいた。
ふっかは長蛇の列をどんどん抜かして入り口まで歩く。
店員「深澤様ですね、お待ちしておりました。」
「お席にご案内いたします。」
私たちは1番奥の個室に案内された。
できる男深澤。ファンが“リアコ”と呼ぶのは
こういうところなのだろうか。
なんか納得。笑
好きなお刺身を選んでトッピングできる丼物から
北海道づくしみたいな限定の丼物までたくさんある。
優柔不断な性格の私は目移りしちゃいます。
そう言ってふっかはベルを鳴らした。
楽しいランチデートも残り1時間。
♡×160
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。