第142話

私は君を待ってた
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2023/05/09 12:54
あなたside
男「そんなこと言わないでさぁ、遊ぼうよ〜」


強い女を熱演しているが、内心はもうビクビク状態。

お願い…助けて…

そう思いギュッと目を瞑ったときのことだった。





















深澤辰哉
深澤辰哉
なになに〜?お兄さんナンパ中?笑
男「は?お前誰だよ。」
深澤辰哉
深澤辰哉
うんうん、分かる。
深澤辰哉
深澤辰哉
この子すごい可愛いもんね〜
私の待っていた救世主が登場した。


男「なにブツブツ言ってんだよ、お前邪魔なんだけど。」
 「お姉さんごめんね、取り乱しちゃった。」
深澤辰哉
深澤辰哉
なぁ、俺もお前って呼ばせてもらうけど
この子怖がってるの気付かねぇの?
男「お前には関係ねぇだろ、どっか行け。」
 「お姉さんそこのカフェにでも行かない?」
深澤辰哉
深澤辰哉
おい、汚い手で俺の彼女に触れんな。
男「なんだよお姉さん彼氏いたのかよ。」
 「しかも、よりによってこいつって…」

 「お姉さん見る目ないわー笑 俺の方がっ…!」


パチーン


ふっかが拳を振りかざす前に私が男の頬を叩いていた。
私
お前に悪口を言われる筋合いはない。
私
今すぐ私たちの目の前から消えて。
男「あーあ、声掛けて損した。」

チャラ男は左の頬を押さえて街の中に姿を消した。
私
はぁ…怖かったぁ…
緊張から解放されて足の力が抜けた私は
その場にしゃがみ込んだ。
深澤辰哉
深澤辰哉
おっ、あなた大丈夫か⁉︎
来るの遅くなってごめん。
私
全然来るの遅くなんかないよ。
まだ集合時間の10分前だし。笑
深澤辰哉
深澤辰哉
守ってあげられなくてごめんな。
ふっかはそう言って私を包むように抱きしめた。
私
ううん、大丈夫。
逆に今私すごい嬉しいんだ。
深澤辰哉
深澤辰哉
えっ?なんで?
私
だって今までふっかに助けてもらうばかりだったから、自分で被害を防げたって思うとね?まぁ暴力しちゃったけど…苦笑
深澤辰哉
深澤辰哉
あのさ、あなた。
私
…ん?
深澤辰哉
深澤辰哉
やっぱそういうとこ好きだわ。
ふっかは私の肩に顔をうずめる。
耳の熱を吸収したピアスが私の頬に触れた。
深澤辰哉
深澤辰哉
だけどな、危険な目に遭ってまで
自分で…ってしなくてもいいんだよ。
深澤辰哉
深澤辰哉
俺がいる限り俺があなたを守る。
いつにも増して凛々しい目。

私もふっかのこういうところに惚れたんだ。
まぁ本人には言わないけど。笑
私
なにカッコつけてんの。笑
深澤辰哉
深澤辰哉
おーい!そこは“キャー!カッコイイ!”とかだろ!笑
私
ありがとう。気持ちは伝わってるから。
深澤辰哉
深澤辰哉
うん、じゃあメシ食べに行くか!
私はふっかの後ろをついて行くようにして
建物の中に入った。
深澤辰哉
深澤辰哉
なぁ、なんか後ろ歩きすぎじゃね?笑
私
そりゃあねぇ…国民的アイドルのふか…
深澤辰哉
深澤辰哉
人多いんだから言うなって。笑
恥ずかしいだろ…///
私
“周りにバレるだろ”じゃないんだ。笑
深澤辰哉
深澤辰哉
俺がイケメンアイドルだから横を歩けないって?
私
なんか余計な情報が入ったような?笑
私
だって横歩いたらバレたときどうする?
って話になるじゃん?
深澤辰哉
深澤辰哉
はぁ…そんなこと気にしてんの?
深澤辰哉
深澤辰哉
俺はバレても全然いい。
だから躊躇わず俺の隣を歩け。
私
でも…
深澤辰哉
深澤辰哉
俺の隣にはあなたがいて欲しいの。
深澤辰哉
深澤辰哉
ん、はい手出して!
私はふっかと手を繋いでご飯屋さんへ向かった。
深澤辰哉
深澤辰哉
あった!今日の昼メシここ!
ふっかが立ち止まったのは、
まさかの私が食べたかった北海道の海鮮丼屋さん。

しかも、北海道からの1週間限定の出店らしく
お店の前にはたくさんの人が並んでいた。
私
うわ〜!!海鮮丼じゃん!?
私めちゃくちゃ食べたかったんだよね!
深澤辰哉
深澤辰哉
ほんとに?奇遇じゃん!
俺も最近海鮮丼が食べたかったんだ。笑
私
でもお客さんがたくさんいるから
時間間に合わないんじゃない?
深澤辰哉
深澤辰哉
…って思うでしょ。ちょっと来て。
ふっかは長蛇の列をどんどん抜かして入り口まで歩く。
深澤辰哉
深澤辰哉
すみません。予約している深澤です。
店員「深澤様ですね、お待ちしておりました。」
  「お席にご案内いたします。」

私たちは1番奥の個室に案内された。
私
ふっか予約してくれてたんだ。
深澤辰哉
深澤辰哉
運良く予約欄が空いてただけだよ。
深澤辰哉
深澤辰哉
ほら、早速だけど好きなの選びな?
俺はあとからでいいからさ。
できる男深澤。ファンが“リアコ”と呼ぶのは
こういうところなのだろうか。

なんか納得。笑
私
これもいいし…限定のも捨てがたい…
好きなお刺身を選んでトッピングできる丼物から
北海道づくしみたいな限定の丼物までたくさんある。

優柔不断な性格の私は目移りしちゃいます。
私
あーっ!ごめん、ふっか先に選んで!
深澤辰哉
深澤辰哉
決めれない感じ?笑
私
私には苦渋の決断すぎて…笑
深澤辰哉
深澤辰哉
わかった、じゃあ2つに絞るならどれ?
私
んー…北海道丼かサーモンいくら丼かな?
深澤辰哉
深澤辰哉
それなら両方頼んでシェアしよ?
せっかくだしその方が満足するじゃん?
私
ふっかは食べたい丼物ないの?
深澤辰哉
深澤辰哉
俺はあなたが美味しそうに食べてくれたら
それで充分だから。笑
私
そっか…じゃあお言葉に甘えて…笑
深澤辰哉
深澤辰哉
了解。笑
深澤辰哉
深澤辰哉
呼び鈴鳴らすよー
そう言ってふっかはベルを鳴らした。


楽しいランチデートも残り1時間。



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