第145話

半分ウソ半分ホント
3,415
2023/06/28 08:22
阿部side
阿部亮平
阿部亮平
おはよ〜びっくりした?笑
私
普通ビックリするでしょ!
なんで阿部ちゃんがここに…⁉︎
あなたはこの状況が理解できないらしく、
目を点にして不思議そうに俺を見つめていた。

俺には見えたよ。
あなたの頭の上に“?”がポポポッって並んでるの。笑
阿部亮平
阿部亮平
んー、シンプルに言うと
あなたからのテレパシーを感じたから?笑
私
私知らないうちにテレパシー送ってた?笑
阿部亮平
阿部亮平
うん、送ってた。笑
私
あちゃー…って違うのよ。笑
私
何で私の居場所知ってるの?笑
やっぱり疑問に思っちゃうか。笑

「俺がふっかの背中を押したんだよ?」
とか勝手に変なこと言えないし…

「共有スケジュールに書いてたじゃん!」
とか嘘つくのも良くないよね…

だから俺は嘘をついて本当のことを言った。
阿部亮平
阿部亮平
この辺で買い物してて、
位置情報アプリ見たらあなたがいたから。笑
ウソ→買い物してたこと
本当→位置情報アプリで居場所を確認したこと
私
そりゃあ私の居場所が分かるわけだ。笑
私
せっかくだしさ、一緒に丼物食べない?
悩みに悩んだ結果2つ頼んじゃってさ…笑
阿部亮平
阿部亮平
えっ、いいの?
私
うん!いいのいいの!
でも1口ちょうだい?笑
阿部亮平
阿部亮平
ははっ笑 あなたらしいな〜
阿部亮平
阿部亮平
好きな分だけお食べなさい。笑
私
イェーイ!ありがと〜!
私のやつも少しあげるね。笑
阿部亮平
阿部亮平
どうも〜笑
うん、あなたは強がってる。

本当はふっかと一緒に食べるはずだったんだよね。

両方食べたかったって言うのは本当で、
1人で2つ食べようと思っていたと言うのはウソ。

あなたも俺と同じで半分ウソ半分ホントのことを言って
無理やり自分を納得させようとしている。


俺らって似たもの同士なのかな。
それとも、本音で話せない仲なのかな。


心の奥がなんだかモヤッとした。
私
おーい、阿部ちゃん?食べようよ!
阿部亮平
阿部亮平
あっ、うん!じゃあ…
私
いただきまーす!
阿部亮平
阿部亮平
いただきます!






深澤side
はぁ…最悪。

今頃あなたは1人で丼物を食べているんだろうな…
本当に申し訳ないことをしてしまった。

マネージャーが運転をしながら収録の話をしているが、
一切耳に入ってこない。

入ってきたとしてもスーーーッと耳から耳へ抜けていく。

こんな様子で番組の収録なんかできるのかな。



俺は自然とスマホの画面の片隅にある位置情報アプリを
開いた。

最近開いてなかったからアプリが起動するまで
時間がかかる。

1%…2%…とローディングされて行くのにつれて、
俺の体力が1%…2%…と削れていくような気がした。


画面が100%になったとき、俺は目を疑った。


何でかって?

だってさ…





あなたと阿部が同じ場所にいるんだもん。
同じ建物にいるだけだとしても、おかしいでしょ。


もしかして、阿部は俺のスケジュール変更に気づいて
あなたの元へ向かったのか?


俺の背中を押してくれたのも阿部だし、
北海道展をしてるのを教えてくれたのも阿部。


ってことは…
















深澤辰哉
深澤辰哉
もう確信犯じゃん。
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