私は屋上に向かった。
朝も早いから誰もいない。
ただあついだけはいるんだと思う。
『いない……かな』
やっぱりいなかった。
と思ってた。
道枝「いるんやけど。見えてへんの?」
『なんだ。いるんだ』
道枝「俺を邪魔者扱いすなよ」
私は、ベンチに座った。
道枝も私の隣に座ってくる。
道枝「なぁなんで今日きたん?」
『あんたが来いって言ったからに決まってるでしょ』
道枝「素直な人やな笑。」
『で、相手をするって何?』
道枝はなんにも言わない。
なにか問題でもあるのか。
『で、なんなの』
道枝「あんた、会長の彼女なんやよね」
『まぁそうだけど』
道枝「で、昨日の人と浮気してると」
『まぁ会長もしてるからね。問題はないの』
道枝「で、言うタイミングが今じゃないって事だよな」
『今じゃない。あと少し何ヶ月かわかんないけど』
道枝「うん。よし説明する」
道枝は私の方を見た。
道枝「それ、俺に手伝わせてくれへん?」
『は?どうゆう事』
道枝「あんたがいいって言うタイミングまで上手いこと会長の目を引いておくから」
『あぁ〜よくわかんない』
道枝「じゃあ思い出して。あんたが会長の浮気を知った時はなんにも言わないもしくは来るなって言われた時やない?」
『あぁ〜確かに。来んくていいよって言われた』
道枝「だから、あんたが昨日の人と会う時に会長に遊びましょって俺がいえば、デク合わせることもない」
『言われてみれば、確率はさがる』
道枝「って事で俺を使って」
道枝にはなんの得があるのか
なんでそこまでしてくれるのか
道枝には意味があるのか
『いいけど、あんたの得ってなに』
道枝「俺の得は会長を痛めつける事や」
『なんで』
道枝「痛めつけるって事。また詳しく話すから」
『あっそう。てかLINE』
道枝「そうやな笑笑はい俺の」
私はQRコードを読み取った。
『うん。出来たからまた』
道枝「また。」
私は屋上から降りてきたけど生徒会室には
会長がいなかった。
久しぶりの1人の生徒会室が嬉しかった
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。