第85話

最後の屋上
1,631
2021/09/26 15:26

いつもみたいに開けるともうそこには










いつもみたいに下を見ている駿がいた。









『駿……』









道枝「あっあなた。卒業おめでとう」










私は駿の隣に立った。










道枝「あなたが居なくなるなんて考えられないよ」









『そう?駿からそんな言葉聞くなんて』









道枝「寂しいんだからね。」










『まぁ連絡はいつでも取れるし、言ってくれれば遊びにだって来るし』









道枝「あなたからは誘ってくれないの」










子犬みたいな可愛いさ










これはずるいですよ。










『誘うよ。それはまじで』










道枝「約束だからね」









『うん、約束』








道枝「あのさ、俺あなたにいってなかった事が1つだけあって」










『何?』










道枝「俺、副生徒会長になることにした」











『本当に』









道枝「うん、俺もあなたみたいになりたかったから」









『そっか……長尾くんと頑張ってね』











道枝「うん」









バトンは渡されるんだ。










年月というのに連れて変わっていかないと行けないんだ。












道枝「あなた……俺、頑張るから。」











『うん、この学園をよろしくね』










道枝「ねぇ最後にギュッてしてもいい?」










私は首を縦に振った。










そして、暖かい温もりに包まれた。











道枝「またね」









『また、絶対に来るから』










そして、離れた。









道枝「俺、生徒会室行かないとだから」










『そっか、じゃあ一緒にしたいこ』









下までおりて、生徒会室がある階まで来た。











『じゃあ、私帰るね。』









道枝「生徒会室、来ないの?」










『もう、さっきお礼は言ったからさ。生徒会室は関係者以外入っちゃ行けないんだから』










道枝「そっか……」










『じゃあ、またね』











道枝「またね」








寂しいとは違うこの気持ち。










私も、新しいステージに進むんだ。

プリ小説オーディオドラマ