道枝くんと長尾くんは先に戻った。
2人は本当にお互いを大切な仲間と思ってるんだろう。
ジャージ姿の2人が見えた。
女子達はまじでエグいぐらいあの二人のコンビを推してる人が多い。
だから今だって、囲まれてしまっている。
さっきまでいた2人とは顔が違くて、明るい。
人って怖すぎる
簡単に騙されて、信じ、洗脳される。
人とはタンジュンな生き物だ
『そろそろ行かないと』
私は屋上を後にした。
そこからもう2時間目だが、阿部ちゃん先生の授業が始まるので行くことにした。
理科室には誰もいなくて、準備室に阿部ちゃん先生がいた。
『阿部ちゃん先生』
阿部「おっあなた。ちょうど良かった手伝って」
『了解です』
私は実験の準備を手伝った。
阿部「あなたは理科だけ授業うけるんだな」
『だって好きなんですもん。理科も』
阿部「も?」
『阿部ちゃん先生も好きですよ。尊敬してますし』
阿部「なんだよ。誤解させんなよ」
阿部ちゃん先生の顔が赤くなっていたのは気のせいかな
阿部ちゃん先生も彼女さんがいなくて、欲しいって
学校の人に言ったら半分の人は来るよ
大人気だもん。
『でも、阿部ちゃん先生を一番思っているのは』
阿部「あなただね」
『そうですよ。この座は誰にもゆずりません』
阿部「なんだそれ笑」
私は阿部ちゃん先生の生徒で一番です。
これからもこの先もずっと
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!