ドアが開いた。
見ると、蓮や駿。
長尾くんに会長がいた。
阿部「みんな揃ったね。さぁ始めようか」
阿部ちゃん先生は立ち上がった。
阿部「今日、全てのことをお話するよ」
目黒「なんで、阿部ちゃんが」
阿部「俺には何にも無くなった。母がいなくなってから。
幼い頃、阿部は母を失った。
それまで幸せだった日々も突然壊れていった。
父も組のことを俺に託したいといってきて
教育が厳しくなった。
俺はただの人形化していたんだ。
そんな時、西畑くんに出会った。
父と西畑くんの母の再婚。
俺はこれで自由って思っていた。
でも違った。
その後も変わらなかった。
俺は本当の組のトップになった。
でも、その事を知ってるのはほんの数人。
ほとんどの人間は西畑くんがトップだと認識されるようにした。
そんな時、西畑くんに彼女がいると知った。
道枝くんは分かるよね。
君のお姉さんだ。」
駿のお姉さん……
ってことは会長の元カノさん。
阿部ちゃん先生は何考えているか分からない。
道枝「お姉ちゃんはいい人やった。会長さんと付き合ってから毎日が楽しそうやった」
阿部「そうだよね。でも、お姉さんは消すしかなかったんだ。 」
道枝「おメェ」
駿を止めたのは会長だった。
阿部「西畑くんの彼女っていうのがいけなかったんだ
そんなのが許される訳なかったから。
ここの仮トップである彼に彼女なんて居たらダメなんだ」
目黒「……阿部ちゃんどうして」
阿部「こうするしかなかったんだ。西畑くんが関係してたって言うのと……」
西畑「阿部さん……僕が言います。」
阿部「ううん、大丈夫。彼女は難病にかかってたんだ」
道枝「えっ……」
阿部「西畑くんから事情を聞いて、彼女を楽にさせてあげたかったんだ」
道枝「……それでお姉ちゃんを」
阿部「俺の指示で殺した」
私は何がなんだか分かってなかった。
すぐそこにある死がこんなにもあるものだなんて
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!