「あなた様」
「あなた様大丈夫ですか? 」
『ごめんね。大丈夫少し空気吸ってきます。』
私は屋上に向かった。
『綺麗。でも今はその綺麗が嫌い』
昔のように友達と話したい。
みんなと仲良くなりたいのに
ギリギリラインで下を見ると
人って小さいなって思う。
『知りたくなかったな~』
??「なぁあんたそこで何しとるん?」
後ろを向くと1人の男性生徒がいた。
『あなた、たしか……道枝』
道枝「そう、俺道枝駿佑。あんた名前は?」
『あなたです。』
道枝「あなたって……副生徒会長か」
『まぁそうです』
道枝くんは、最近転校してきた人。
とても人気で、会長担も降りた人がいるだかいないだか。
道枝「なんでそこに立っとるん?危ないで」
『危ない?もし落ちて死んだらそれまでだったってだけ』
道枝「ふーん。寂しいなあんた」
『どこが』
道枝はだんだん近づいてきた。
道枝「こんなに綺麗なあんたがそんな考え方なんて」
『道枝くんに関係ある?』
道枝「いや、ただ目の奥があんた暗いねん。苦しそうでなくなりそう」
確かにそうかもしれない。
蓮がいなかったら……
道枝「泣いてたのにまた泣くん?」
『えっ……』
今、私泣いてるの?
頬を触ると濡れていた。
なんで泣いてたこと知ってるの?
道枝「その綺麗な顔が台無しやで。」
道枝くんはハンカチで抜いてくれた。
道枝「ほら、笑いや」
『ふふっ』
嘘の笑いだけど、まだいい。
道枝「いつでも聞いや。俺はここによく居るから」
『ありがとう』
道枝「その笑顔の方がええよ」
自然に笑えた。
道枝「もう1人いるけどな。いつもは」
『そうなんだ。ありがとうこれからよろしくです』
道枝「よろしくな」
階段を降りていた時、美が似合う男子生徒にあった。
あの人がもう1人だろう。
生徒会室前を流れで通ったが扉を開けられなかった。
だって七菜と会長の甘い声が聞こえたんだもん。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。