第83話

卒業スピーチ
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2021/09/25 23:03
あれから数年後









あの事件から色々と出来事があった。










会長が姿を消したんだ。









最後にあったのは生徒会室。









西畑「あなた……また、明日な」









『はい、じゃあ先に帰りますね』









西畑「あぁ……気をつけて」










その会話が最後だった。










私と会長はそのまま付き合っていたんだ。












じゃないと行けなかったんだ。










会長と連絡が取れなくなって、長尾くんにも聞いたけど











全く手がかりはなかった。










あんなに探したんだから、まだ多少好きっていうのは











あったのかも知れない。












そして今、私は卒業式という舞台に立っている。











『私たちがこの学園に入学式してもう3年という月日が経ちます。









この学園で学んだ事は数え切れません。









何があっても諦めない心









友達という絆









家族というかけがえのない存在











私は数え切れないほど色んなことを学びました











そして、会長から教えてもらったことがあります










それは責任、思いやりの心、そして……愛です













会長は皆様に愛をもって仕事されていました











何があっても諦めず、何度も何度も繰り返していました










ある時、こんなことを言ってたんです。









「俺がやってる事は大したことじゃないこの学園のみんながいないと出来ないことだ」って











私はその時から本当の会長を知った気がしました。










皆様が知っての通り、今この会場に会長はいません










ですがきっとまた会えると信じてます。











会長から学んだ愛というものはかけがえのないものです










ただ、守りたいっていう思いとは違う何かがある










それはあなたとなら不幸でもいいとかあなたのためにやりたいとか








それは恋人に対するだけでなく、友達や家族









そこも同じだと思います。








何があってもその人と居たいって思えるのが愛だと思います。








私は本当の愛とはなんなのか知れた気がします。












今回はこのような素敵な舞台を用意していただきありがとうございます。










ここから、個人個人新たなスタートを切ります。










でも、周りの人はずっとそばにいます。









その場に居なくてもあなたのことを考えています












だから、きっとまた会えることでしょう












どこかで繋がっているのだから。









以上、代表スピーチでした。』











私はどこかで信じていたんだ。










本当の愛と言うことを。










愛とはかたちで表せない。








だから、いいんだ。









私は席に戻り卒業式と旅立ちから









あと少しで終わってしまう事を寂しく思った。

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