私の初恋は
‘‘バレー’’
である
バレーだけが私の支えで
私に自由を与えてくれた
バレーだけは
ずっと
ずっと
続けてきた
バレーは絶対離さない
私はバレーを極めた
だが、いつの日からか
バレーの友達は居なかった
私は強くなりすぎた
私と戦っても負けるだけ
私と同じチームでも
リベロやセッターが居れば
必ず勝てる
6対3でもいいから
皆本気じゃなかった
本気だったのは私だけだった
私はそれでもバレーを続けたかった
留学にだって行った
そして日本に帰ってくると
「お前には教えることはない」
「先生先生ってお前の方がバレー上手いから」
教えてくれるコーチなんか
存在しなかった
私は高校生になる
ずっと留学してても良かったが
今まで本気で英語を勉強してこなかったので
諦めた
もう...
バレーなんかしない
ありがとう
バレーボール
青春をくれて
これからも愛しているよ
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。