第3話

一通のメール
425
2018/08/29 06:18
帰った俺はスグに横になると、澪奈のことと
熱のことですんなりと寝てしまった。
翌日、熱は下がり体の調子はいい。あくまで
体だけだけど…
涼雅と会い、二人で俺達の高校よりも大きい
高校に行き、体育館のギャラリーに入る。
既にウォーミングアップを始めており、部員
の掛け声が体育館に響いていた。
勿論、中には日向もいるし澪奈もいる。
桜井 紫苑
……。
武政 涼雅
どうした?病み上がりでキツいのか?
桜井 紫苑
…あ、何でもない。
元気に声を張ってる澪奈。誰が見ても普通に
明るく見えて、いつも通りだ。
バスケの地区大会は俺達の学校がぶっちぎり
で勝ち、次は空手。
バスケで40分間走っていたにも関わらず、
澪奈は集中して決勝まで進み、見事に優勝。
帰りの電車ではずっと寝たままだった。
そして、一日の予定が終わり、俺は自分の
部屋へ。
部屋につくと、ベッドに転がる。
スマホを取り出し、撮った写真を見直す。
どの写真でも澪奈はいい笑顔で写っていて、
写真を見ている俺も微笑ましくなる。
けど…澪奈は……
そんなことを考えると、悔しくて堪らなくて
涙が出そうになる。
いつもなら帰ってすぐにするゲームもやる気
が全く起きない。
桜井 紫苑
澪奈が助かるなら俺は何でも
するのに…
そう呟いた途端、スマホが鳴る。
一通のメールがきていた。
内容を見ると、アプリの紹介のようだ。
桜井 紫苑
ゲームなんかやる気ねぇよ…
閉じようとした時だった。本文の中の一文が
目に留まり、俺は手を止めた。
桜井 紫苑
”完全クリアしたら願いを一つ
叶えます”…?
”願いを叶える”に反応して俺は読むことに。
『REAL GAME』
完全クリアしたら願いを一つ叶えます。
失敗すれば命をいただきます。
※願いはどんな願いでもいいです。
5つのステージにクリアして自分の願いを
叶えましょう!
願い…これなら、澪奈を助けることだって…
けど……失敗すれば命をいただきます…?
澪奈が助かるなら何でもいい…
俺は「参加する」をタップする。すると、
真っ黒なアイコンのアプリがインストール
された。
名前は『REAL GAME』
アプリを開くと注意書きが出て来た。
《注意事項》
・一度始めればやめることは出来ません
・これは現実世界で行うゲームです
・死ぬ可能性があります

それでも始めますか?
「YES」と「NO」の二択。
やってやる…澪奈を救うために…!
俺は「YES」を押す。すると、画面は真っ黒
になり、赤い字でこう浮かび上がった…
『ステージ1、エレベーターからの救出』

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