第30話

最後の6月を迎える君 ~るぅころ~
829
2021/06/19 17:05


真っ白な部屋。








白いシーツのベッド、








その上にはころちゃんが眠っていた。


















少しの沈黙








それからなーくんが話しはじめた。




ななもり。
ななもり。
お医者さんからは
安静にするように言われてるよ。
ななもり。
ななもり。
命に別状はないみたい。
莉犬くん
莉犬くん
そっ…か、、
ななもり。
ななもり。
ころちゃんは怒ってないよ。
莉犬くん
莉犬くん
ぇ…
ななもり。
ななもり。
そんなに1人で思い詰めないで?
莉犬くん
莉犬くん
思い…詰めないで……って、
莉犬くん
莉犬くん
なーくんには!!!
莉犬くん
莉犬くん
俺の気持ちなんて分かんないでしょ!!!!
ななもり。
ななもり。
分かるよ。
スーーーー

莉犬くん
莉犬くん
なーくん、?


なんで……泣いてるの。








今まで泣いてなかったのに、、












ころちゃんが倒れた時も




メンバーが泣いてる時も、




お医者さんの話を聞いてる時も……














なのになんで、今____
ななもり。
ななもり。
俺だって……苦しいよ、
莉犬くん
莉犬くん
っ…
ななもり。
ななもり。
俺は、リーダーなのに
ななもり。
ななもり。
ころんが体調悪いのに気づけなかったし
ななもり。
ななもり。
医者から聞いたけど、
脳に腫瘍があることだってころんから
聞いてなかった。
ななもり。
ななもり。
莉犬くんに病気のことを言ったのは、
それだけころんが莉犬くんの事を
信用してたからでしょ?
……、




なーくんのこんなに苦しそうな声を聞くのは





俺がすとぷりに入る前に説得してくれた時以来だ。
ななもり。
ななもり。
俺…リーダーなのにさ、
頼りなかったのかなって、(グスッ












ななもり。
ななもり。
ころんが目を覚ますのが怖い。
莉犬くん
莉犬くん
え、
今なんて…
ななもり。
ななもり。
だって……
どんな顔してころんと話せばいいか
俺分かんないよ、
ななもり。
ななもり。
自分が情けなさすぎて
おかしくなりそう…ッッ
莉犬くん
莉犬くん
……





ころちゃんと会うのが怖いのは、俺だけじゃないんだ








なーくんには
俺以上の不安と恐怖があったのかもしれない、









それを押し殺して、俺やメンバーに寄り添ってくれて








いっぱいになった涙も流さず笑顔を貼り付けて









俺だったら絶対抑えきれないだろうな、、






俺だったらパニックになって
メンバーの事なんか頭にないだろうな…








俺だったら_____




































莉犬くん
莉犬くん
なーくんは情けなくない。
ななもり。
ななもり。
ッッ…
莉犬くん
莉犬くん
なーくんは、頼りなくなんかない。
莉犬くん
莉犬くん
あの日、
俺を助けてくれたのは
莉犬くん
莉犬くん
"なーくん"でしょ?
莉犬くん
莉犬くん
なーくんは"俺たち"にとって
莉犬くん
莉犬くん
最強で最高のリーダーだよ ニコッ
ななもり。
ななもり。
莉犬…くん、
莉犬くん
莉犬くん
だからもう…泣かないで、
ななもり。
ななもり。
…… ニコッ
ななもり。
ななもり。
ありがとう。ほんとに__
















なーくんが何かを言おうとした時








お医者さんと看護師さんが勢いよく
病室に入ってきた。

















何なの、その焦った表情。















まるでころちゃんが危ない状態みたいじゃん。








『何があったんですか?』



そう聞こうと思った直後にお医者さんの口から






『病状が急変しました。
今夜のやまさえ乗り切れば大丈夫ですが、
かなり難しいと…。』









早口でそう言われた。






莉犬くん
莉犬くん
なーく…ッッ




流石のなーくんも顔色を変えて冷や汗をかいていた











目の前ではころちゃんが大汗をかいて
うなされている











ななもり。
ななもり。
大丈夫……大丈夫だから











震えるなーくんの声






看護師さんとお医者さんの大声での会話









少し聞こえるころちゃんの唸り声




















あの日聞いた音、見た光景が





ずっと頭から離れないことになるなんて







思ってもなかった____。













命に別状はなかったなんて、





信じるんじゃなかったな。