〜あなたの中学生時代〜
私はごく普通の市立学校に通ってた
親もいい人だったし、大学生のお兄ちゃんも優しかった
けど学校の人たちは違った
最初は女子だけだった
金髪は地毛なのに
調子なんてのってないのに
自分の顔なんて自分で変えられるわけないし、親から貰った顔を変えたくもなかった
だから虐められても耐えた
それでも自分の個性が好きだって胸を張った
でもそれが悪い方向に出た
私の態度をよく思わない女子が男子に嘘の話をしたらしい
そこからどんどん広がって男子までもが私を虐めるようになった
この顔に生まれたからなのかな?
見た目がダメなだけで虐められるの?
誰もそれを止めてくれないの?
思えば思うほどたくさんの疑問が頭に浮かんだ
そして最終的に出した答えは見た目を不良っぽくすること
そうすればみんな虐めなくなると思った
そしてピアスを開けた
最初は1個だけだったけどそれじゃ足りないと思ってインダストも開けた
その後もどんどん数を増やした
そしたらみんな私を虐めなくなった
近寄りもしなくなった
これで良かったって思ったよ
もう3年になるし今更友好関係なんでどうでもいい
けど今度は親が私を無視するようになった
何も言わずにピアスを開けた私も悪いんだけどさ、理由を話しても
「そんなことでやったの?」
って言われた時はなんか分かんないけどむかついちゃったんだよね
私だって我慢してたのになぁ…って
まあ、それからは荒れに荒れたよねw
見た目のせいだと思うんだけど喧嘩売られるし
売られたら買う主義だから喧嘩ばっかりしてた
高校生が来た時なんかもあって…
ある時めっちゃ強い人に会っちゃったんだよね
何とか勝てたけど、家に帰れないぐらい元気なくて…
家族には連絡できないしで路地裏に座り込んでたら宇髄先生が来たんだ
「派手にぼろぼろだなぁ」
って優しく笑うから泣いちゃったんだよ
んで、そこから色んなこと話して宇髄先生にキメツ学園を紹介してもらった
そして一人暮らしをすることも決めた
宇髄先生には本当にお世話になったな…
ほらやっぱりね
なんも言えないんだよ
その時体を暖かい体温が包んだ
抱きしめられるなんて中学校…いや小学校ぶりだろうか
何言ってるかわかんないんだけど…
なんでそんなこと言うの…?
ただ自分が弱かっただけなのに
もしかしたら自分は
誰かに認めてもらいたかっただけなのかもしれない
人に過去を話さないことだって認められなかったらどうしようって心配だったから…
答えを見つけてしまうと達成感からなのか自然と涙が出てきてしまう
その間もずっと我妻は抱きしめてくれてる
人ってこんなに暖かいんだなぁ
やば、涙が服に着いたかも←
我妻はバックの中から何かを取り出した
ラッピングされた小さな箱
めっちゃおしゃれ
そして箱から出てきたのは蝶々のピアス
金色が目立っていてすごくかわいい
…何それ
ずるい
箱を受け取ると早速ピアスをつけた
これで顔がいいからなぁ…
いつものがなくなったら
ただのイケメンじゃねーか!
なに!?何言われるの?
ピアスのことを言われているのにあたかも自分に言われているように感じてしまった…
はっず!これ…
仕返しを何とか!
っしゃ!照れた!
と、思ったけどこれ呼ぶ方も恥ずかしいな(((
この気まずい雰囲気の中観覧車が一周した
その間はお互いにそこはプロ(?)だから気持ちは落ち着かせた
そして観覧車を出てカナヲたちを見るとお互いが赤面してた
…察したけどやっぱりこっちも煽るほど余裕はなかった
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。