第27話

祈りの加護
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2023/10/22 06:58
ボコ太は逃げ回った。後ろから付いてくるカースガノンから。そして、リザ太郎たち三人は、ボコ太を追いかけるカースガノンを追いかけた。追いつけば、距離を取られる前に極限まで攻撃した。
ボコ太
まだーーーーーーーっ⁈
ずっと走り回っていて、すっかり疲れたボコ太は悲鳴に近しい声を上げた。
リザ太郎
あと少しです‼︎頑張ってください‼︎
そう言いながら、リザ太郎がカースガノンに矢を放った瞬間、カースガノンが奇声を上げた。そして、光になったかと思うと、メイン制御装置の上に移動した。ボコ太は止まって叫んだ。
ボコ太
倒した⁈
だが、ミファーが慌てて言った。
ミファー
まだ終わってない...‼︎気を抜かないで‼︎
光がまたカースガノンになったかと思うと、カースガノンは左腕を上に挙げた。その瞬間、水嵩が増え始めた。
ボコ太
え⁈
見ると、四方の四角形の足場だけが迫り上がって来て、その他の足場は、どんどん水に浸水していく。泳げないボコ太とモリ介は、慌てて四方の足場に乗った。リンクも同じ足場に乗る。リザ太郎は泳いで三人がいる足場に上がって来た。
ミファー
足場が狭くなった...‼︎気を付けて...‼︎
カースガノンは離れた足場に移動して、水の中から、ルッタが飛ばして来た氷と同じものを生み出して、ボコ太たちの方へ飛ばして来た。ボコ太がまたパニックになりそうになった時、リンクが氷を壊そうと、シーカーストーンを構えた。氷が壊れると、リザ太郎が弓を二発、射った。矢は、見事カースガノンの眼球に命中した。もう一発の矢も命中だ。すると、カースガノンはその場に崩れ落ちた。
ボコ太
今攻撃のチャンス⁈
リザ太郎
はい‼︎
リンクはカースガノンに一気に近付くと、剣を抜いて、カースガノンを一気に攻撃した。さっきとは違って、今度はどんどん体力が減る。
ボコ太
効いてる効いてる‼︎
カースガノンが起き上がったため、リンクは戻って来たものの、カースガノンはあと一回、同じことを繰り返せば倒せそうなほど体力が減った。
モリ介
あと少しだな‼︎
ボコ太
リザ太郎、リンク、頑張れ〜‼︎
カースガノンは、また氷を飛ばして来た。リンクはもう一度、氷を壊す。リザ太郎もさっきと同じように、二発矢を放つ。落ちたカースガノンをリンクがまた攻撃する。さっきと全く同じことを繰り返すと、カースガノンは奇声を上げながら海老反りになった。
モリ介
やったか⁈
カースガノンから、怨念の液体のようなものが噴き出し、カースガノンの身体は忽ち爆発四散した。上からは、ハート型の何かが降ってくる。リンクは、それを拾った。ボコ太は歓声を上げた。
ボコ太
やった〜‼︎倒した〜‼︎
リザ太郎
でもまだ終わってませんからね。神獣解放のためには、メイン制御装置を起動させないと。
リザ太郎は、シーカーストーンをメイン制御装置に翳した。メイン制御装置は青く光り出した。その時だ。突然背後から、声が聞こえて来た。
ミファー
ありがとう......。お陰で私の魂は解放されて、このルッタも取り戻せた。
ボコ太はびっくりして振り向いた。そこには、魂だけの、一人のゾーラ族がいた。ボコ太は尋ねた。
ボコ太
キミがミファー...?
ミファー
そう...。本当にありがとう。
そう。彼女が、神獣ヴァ・ルッタの繰り手、英傑ミファーなのだ。
ミファー
魔物に助けられるなんて、思っても見なかったけど...。
そして、ミファーはゆっくりボコ太たちの近くへ歩いて来た。
ミファー
治癒の力も、魂だけになった今の私には、もう使えない...。だから、貴方たちに託すね。
そう言うと、ミファーは自分の胸の前で願うように手を組んで、言った。
ミファー
私の力...。『ミファーの祈り』...。
その瞬間、ミファーが手を前に出したかと思うと、ミファーの手から、光が飛んで来た。
ボコ太
わぁ⁈
その光は、ボコ太の胸に飛び込んで来た。すると、ボコ太は何だか癒された気持ちになった。戸惑っているボコ太たちに向かって、ミファーは続けた。
ミファー
昨日まで、ずっと泣き続けてた...。魂だけになって、ここに囚われて...。これから永遠に一人きりなんだって。
そう言いながら、ミファーは寂しそうな顔をした。だが、すぐに表情を変えると、こう言った。
ミファー
だけど今日...。貴方たちが救ってくれて...。こうして、逢うことができた。
そしてこれからは、私の力が貴方たちの助けになれる。
そして、何か決意したような表情で言った。
ミファー
だから...。もう大丈夫。
すると、突然ボコ太たちの身体が輝き始めた。
ボコ太
え⁈
ミファーは驚いているボコ太たちに、言った。
ミファー
じゃあ、行くね...。私とルッタの御役目を果たさなきゃ...。貴方たちが、あの城でガノンと戦う時の援護...。今度は失敗しないから。
ボコ太の身体は、どんどん光になっていく。完全に光になる直後、ミファーは言った。
ミファー
リンク,ボコ太、モリ介、リザ太郎...。あの人を...。姫様を...。助けてあげて...。
ミファーがそう言い終わった直後、ボコ太たちの身体は、完全に光になり、神獣の外へと飛んで行ったのだった...。

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