初っ端からご指名をしてきたのは
同じ歳くらいの他校の男子2人
『……ご指名いただいたあなたです』
「うわやべぇ……めっちゃ可愛くね!?」
「やっぱ稲荷崎の顔面偏差値高いわ」
『……ご注文をどうぞ』
「あ、これ必ず頼まないといけない感じ?」
『……まぁはい』
何言ってんだよ。
メイド喫茶だぞ、“ 喫茶 ”
頼まない馬鹿がどこにいる
「んじゃー、とりあえずコーヒー2個」
『かしこまりました』
『コーヒー2つお願いします』
「はーい!」
んー、それにしてもあの男子2人
なんか嫌だな。
コーヒーなんて一生出来なければいいのに……
「九条さん!コーヒー出来たでー」
『ありがとう』
……。
『お待たせしました、コーヒー2つです』
「どーも」
『失礼します』
「え?もう失礼しちゃうの?」
『はい』
「このあと、暇?暇なら一緒に文化祭回ろうよ」
『仕事があるので』
……早く帰って欲しい。
「んじゃあ、LINEだけ!交換しよ!」
『嫌です』
「いいじゃんね?それくらい」
そう言って私の手を掴んで来ようとした瞬間
誰かが割り込んだ。
?「俺の女なんで触らないでもらえます?」
『!______なんで……
_______________宮侑』
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!