1人で困惑してるうちに男子のプレゼンが終わった。
順調に進みあっという間に私の番になる。
〈さぁ!続いてはグランプリ最も有力候補!九条あなたさんでーす!!!!〉
「待ってたー!!!」
「九条さんって去年出てたっけ?」
「去年は断っとったらしいけど、生徒会長が頑張ってくれたらしいわ」
「マジ?!感謝せんとな!」
〈それじゃ早速!
_______________挙手制です!!!〉
……やっぱり
何となく予想はしてたからツッコミはしない
男子だけだろうなとか思ってたけど……
「私も!!」
「九条さんのファンクラブ会員として頑張らんと!」
「俺もや!」
「男子は黙っとれ!」
女子も居たらしい。
〈んじゃあその緑のTシャツ着た男子!〉
「おっし……!九条さんは今好きな人いますかー!!」
宮侑と同じ質問……
『いません』
笑顔を作って答える。
「マジかよ!チャンスあるんやない!?」
「この前振られとったやんおまえ」
「うるせぇ!お前もやろ!」
〈さぁこれまで何人に告白されたんですかー!?〉
そんなもんいちいち数えんやろ……
分からへんわ
『分かりません』
〈うぉー!!わからないくらい告られたのか!?〉
とりあえず最低限度に答えるために笑って誤魔化す
「好きな食べ物は何ですか!」
『チーズケーキです』
「好きなタイプは!?」
『常識がある人』
「クールなところが好きです……!」
『ありがとうございます』
女子からの急な告白を受けました。
〈んじゃあそろそろ最後の質問!!!〉
そう言って指名されたのは1人の男の子
「恋したことはありますか……!?」
『………』
1番避けたかった質問が今、
私に突きつけられた_______________
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!