放課後,急に雨が降り出した時があった。
傘なんて持ってないし
当番で帰りが遅くなったから周りに人もいなかった。
両親は仕事で迎えを呼ぶことなんて出来なくて
諦めて濡れて帰ろうって思った時、後ろから声をかけられた。
「傘ないの?」
『え……?あ、うん……』
「よかったら傘入る?」
『いや、狭くなっちゃうし…大丈夫だよ』
「んじゃあ雨止むまで待つの?」
『っ……』
「一緒に帰ろ」
『……ありがとう』
それが彼とのきっかけになった。
すれ違う度に目が合うようになったり
たまに一緒に帰ったり
彼との時間が増えていくように思った。
それを楽しみに学校に行くこともあるくらい
私の中で存在が大きくなってた。
そして
「俺、あなたのこと好き」
『!』
「俺と付き合ってください」
『お願いします……!』
ようやく結ばれた。
でも私の恋はそう上手くいかなかった_______________
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。