治𝑠𝑖𝑑𝑒
九条さんと来たのはプラネタリウムの近くにあったショッピングモール
その中に入ると
女子が行きそうな雑貨屋に来た。
『あった…!』
「なんか探してたん?」
『そうなの』
九条さんの手にはパールのネックレス
「綺麗やなぁ」
『ふふっでしょ』
「九条さん、今日もネックレスとかイヤリングとか付けとるけどこういうん好きなん?」
『うん、女子は結構好きだと思うな〜』
「そういえば今日つけてるネックレスと同じやない?」
『あっ、気づいた?』
「2個買うん?」
『ううん、これは友達に。こないだネックレス付けてお見舞い行ったら可愛いって言ってて、』
「お見舞い……?」
『あ、うん。こないだ友達とすれ違ってるって話したでしょ?』
「おん」
『その友達入院してて一時退院の許可もらったらしいから遊ぶ約束したの。んでその日お誕生日だからプレゼント』
「一時退院出来て良かったなぁ」
『うん…!そういえば、この前治くんが連れてってくれたケーキ屋にその友達と行くことになってん。だから治くんにお礼したくて』
「お礼なんて要らんよ」
『もう買っちゃったから受け取って……?』
「わざわざ買ってくれたん?!」
『うん』
そう言って渡してくれたのは水色でラッピングされた小さな袋。
「!」
『治くんに似合うかなって思ってん』
「これ…」
『あっ、もしかして嫌だった?嫌なら無理して使わなくてええ((』
「これ持ってへんからめっちゃ欲しかってんっ!!!」
『! なら良かった』
九条さんがくれたのは黒色のリストバンド
それもただのリストバンドじゃなくてイニシャルが入っていた。
「ほんまにありがとぉな!」
『いえいえ。そんなに喜んで貰えるなんて思ってなかったから良かった』
「早速明日から使うわ!」
『うん…!』
ツムにバレんようにせんと……。
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。