「九条さん」
ある日の休み時間、後ろの席の治くんに話しかけられた。
『どうしたん?』
「ツムと何かあったん?」
『え……?』
もしかして言うたん?
誰にも言わんといてって言うたのに。
宮侑……後でしばいたろ。
『な、何も無いよ……?』
「そうなん?ツムのやつ文化祭終わってからスマホ見てニヤニヤしてんねん」
『あ……』
そっちか。
しばくとか言うてごめんなさい
『LINEなら交換したで』
「!……ツムばっかりずるいなぁ」
『……え?』
「俺とも交換しようや」
『私と?』
「そうや」
宮ツインズ怖いんやけど?
宮侑の方はまだ分かる、相談乗ってもらったし。
でも治くんがなんで?
特に関わったことないねんけど。
「ダメか?」
『良いけど……』
なんか最近LINE交換すること多い気がする……。
番外編 〜席替え〜
角名side
席替えをするって言われた時、正直めっちゃ嫌だった。
しかも、九条さんが惜しむことなく平然とくじを引いていたことに少し寂しくなった。
女子から最初にくじを引いたのがラッキーでたまたま、、、たまたまだよ? 九条さんの番号が見えた。
「げっ……」
俺が1発で同じ番号を引けるほどの運は無い。
「なぁ角名!番号交換しようや!」
声をかけてきたのはクラスメイトの橋本
「なんで?」
「俺、目悪いねん。だから後ろ見えへん」
「そうなんだ。いいよ」
まぁ後ろの席に越したことないし……
てか何番だろ、
「!___マジかよ……」
「九条さんどこだった?」
『窓際の列の後ろから2番目。角名くんは?』
「ん、」
紙を見せると黒板と見比べて目を開かせていた。
可愛いんだけど←(真顔)
『!_隣やん』
「うん、またよろしく」
『よろしく』
ということがあった。
九条さんには秘密だけど_______________
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。