第55話

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2020/12/29 11:00











いつも通り私は咲のお見舞いに行った。











でもいつもとは違って先約がいた。



それもお母さんでもない、

男子の声がする。










『え……?』










病室を覗くと










『角名くん……?』










そこには間違いなく角名くんの姿があった。










いつの間にこんなに仲良くなってた?










そんなことを思いながらも病室に入ろうとすると2人の会話が耳に入った。










西野「私がずっとあなたの傍にいてあげれば良かった。裏切ったのにあなたはずっと私のお見舞いに来てくれた……本当は私、あなたの傍にいる資格ないんだ……」



『っ……!』







もしかしてずっと気にしてたの……?

咲は昔から人一倍責任を感じる子だった。

だからこそ“ 大丈夫だよ ”と証明するために

お見舞いに行っていたこともあった。









もしかしたら、逆効果だった……?

私の方こそ咲のことを考えられてなかったのかもしれない。














角名「そんなことないよ」



西野「え……?」



角名「信じてるって……その言葉だけで十分嬉しかったと思うよ」



西野「!」










そうだよ。角名くんの言う通りだよ。

私、咲がいなかったらとっくに負けてた。





だから咲には自分を責めないで欲しかった。










角名「俺が言うのもなんだけど……自分を責めないで」



『!』









昔、私が咲に言った言葉

まさか角名くんも同じことを言うなんてね。









色んな気持ちが混ざりあって

複雑な気持ちになった。







気づけば私は泣いていた。







そのまま声を殺して泣いた。

ドアにもたれかかってひたすらに。









咲、ありがとう_______________ 。









結局その日は病室に寄らず帰った。


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