西野「え……?」
「だから人の彼氏奪ったの。九条さんは」
西野「……そんなの嘘だよ」
「まぁ信じなくてもいいけど。早めに距離置いた方がいいよって忠告しとく」
「あんたまで嫌がらせされるよ」
西野「っ……」
だめだよ。
こんなの嘘かもしれない
でも今の私に出来ることは確かめることだけで
「あなた……!」
『咲……?』
気づけばあなたの所に走っていた。
「あなた!私は信じてないよ……!ずっとあなたの味方だからね……!」
『!』
その時のあなたは一瞬目を見開いて
でもすぐに微笑んで、
『大丈夫』
そう言った。
“ 私は強いから ”_______________。
そう主張された気がして、
どこかで安心したのかもしれない。
それからあなたとは勝手に距離を置いた。
ほんとに後悔してる
ずっと傍にいてあげられていたら
あなたが辛い思いをしなくて済んだかもしれないから。
そして“ 恋愛 ” も……
嫌いにならないで済んだかもしれないから____。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!