「これどこに持っていけばええの?」
『あー、それはあっちで』
「了解ー!」
文化祭の準備が本格的に進み
明日に当日を控えていた。
角名「こっちの飾り付け終わったよ」
『こっちももうすぐ終わる』
黒板アートや飾り付けをしてようやく
私たちのクラスのメイド喫茶が完成した。
角名「お疲れ様」
『、ありがと』
角名くんがほっぺたに当てた飲み物は冷たかった。
『あ、お金』
角名「いいよ。それくらい奢り」
『そっか。ありがとう……いただきます』
角名「あのさ」
『ん?』
角名「文化祭一緒に回ろうよ」
『え……?私?』
角名「そう、1日目は俺らのシフト時間一緒だから午後から回ろうよ」
『バレー部の人と回らなくてええん?』
角名「別に約束してないし」
『んー、』
まぁ文化祭回ろうと思ってなかったんだけど……
別にやることないしなぁ。
『まぁええよ』
角名「ほんとに?」
『嘘ついてどうすんの』
角名「……毎回心臓に悪いって……///」
『なんて?』
角名「いや、なんでもない。楽しみにしてる」
『おん』
今年の文化祭は私にとって楽しくなりそうだ。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。