無一郎side
始めて合ったのはキメツ学園中等部の入学式
しのあは受付係りをしていた
隣に同じ様な顔をした人が居たけど何故か
しのあに目が言ってしまった
そう言ってモブ男とやらに花飾りを胸に付けた
しのあはペンを持って名簿に目をやった
ピタッと動きが止まって僕の方を見た
その目は驚いている様に見えた
そしてまた、名簿を見て僕の名前をチェックした
僕にも花飾りを付けた
そう言ってその場を去った
僕は思った、何故
モブ男?にはくんづけで、タメ語なのに僕は
さんづけで、敬語だったのだろう?
まあ、深くは考えなかった
〜〜〜〜〜
入学式が終わり、先輩達は片付けを始めていた
しのあはすごく重そうな荷物を運んでいた
他の人も慌ただしく歩き回っていて
とてもじゃないけど手伝える様な感じじゃ無かった
始めて合った名前も知らない先輩を
どうしてここまで気にかけているのか
自分にもわからなかった
今にも壊れてしまいそうな悲しい顔でそう言った
これが、僕としのあの出会いだった
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。