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第79話
独占欲(番外編⑤)
大学生の夏
着いた瞬間、愛華が叫ぶ。
自分の車に鍵をかけ、苦笑いをうかべる伸。
そう、2人は海に来ていた。
手招きする伸に近づくと、急に手を引っ張られ伸の腕の中にすっぽりとはまった。
恥ずかしがりながら身を捩り離れようとしたが、伸にガッチリホールドされてため抜け出せない。
次の瞬間、首に小さな痛みが走った。
次は鎖骨の下に痛みが走った。
そう言って伸は愛華の手を取り、浮き輪を持って歩き出した。
その顔は真夏の太陽にも負けないくらい眩しい笑顔だった。
一方、愛華の顔は湯気が出るかと思うくらい真っ赤になっていた。
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暑い真夏に冷たい海はとても気持ちいい。
そう言って2人は海から上がり、パラソルが立ててある自分たちのシートに戻った。
そう言って伸は行ってしまった。
愛華がシートの上でゴロゴロしてると、
2人組の男(チンピラ)が愛華に喋りかけた。
しかし………
愛華は気づいていなかった。
愛華はやっと気づき、寝ていた体を起こし立った。
ラッシュガードの中からチラリと見える肉付きの良い胸やスラリとした脚が一瞬で男たちを虜にした。
愛華はきっぱりと断った。が、
そう言って無理やり愛華の腕を掴み、連れていこうとした。
また、1人の男が愛華のお尻を撫でるようにして触ってきた。
ぞっとした愛華は抵抗したが、男の力にかなうはずがなかった。
苛立った男が無理矢理連れていこうとした時、
そう言って、男たちの手をはらって、愛華を引き寄せた。
そう言って、伸は愛華の首筋と鎖骨を指さした。
伸が物凄い低くドスの効いた声を出して言う
男達はそう捨台詞を残すと、足早に去っていった。
二人の間に沈黙が訪れた時、50代くらいの女性が喋りかけてきた。
そう言うと、女性は去っていった。
そして、二人の間に再び沈黙が訪れた。
先に口を開いたのは伸だった。
伸の怒りは頂点に達していた。
そう、愛華は混乱しすぎて覚えていなかったのだ。
そして2人は近くのホテルに向かったのだった。
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翌日
上機嫌な伸に対して、愛華は疲れきっていた。
しかし、2人とも肌艶が良い。
時刻は12:00を指していた。
重たい体を無理矢理起こそうとするがすぐにベッドに倒れてしまった。
そう、仕方ない。
2人はホテルの部屋に入ってから朝方まで抱き合っていたのだ。(途中、ご飯を食べることはあった)
伸は昨日の男たちが触った所に何個もキスマークを付けたため、愛華の身体は今すごいことになっている。
愛華は伸の手を手を借りながら起き、バスルームへと向かった。
そして、風呂から出る頃には普通に立てるようになっていた。
伸の顔をじっと見つめる愛華にそう問う。
そう言って、自分の下腹部をさする。
伸は先程の愛華の言葉が心にクリーンヒットし、悶えていた。
そして、ついに理性の壁が壊れてしまい、愛華を押し倒した。
「ね?」と言わんばかりに伸を見つめる愛華の瞳には意地悪そうな笑みを浮かべる伸の顔が映っていた。
どうやら伸のドSスイッチを押してしまったようだ。
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ここは車内
2人はホテルから出て、自宅に向かっていた。
そして助手席にいる愛華は怒っていた。
運転しながら伸が謝る。
そう、愛華は現在まだ立てない状態にいる。
普通に行動できるようになったが、帰る前に行った行為によってまた立てなくなってしまったのだ。
そこで、何かに気づいたのか伸が愛華に問う。
大学生になっても伸の独占欲は相変わらず強かったのであった。