第30話

3ー2
2,126
2020/01/09 01:55
中也side

きっと首領には
あの時の事が
頭にあったんだと思う

あなたが幹部になる前…

彼奴は一度だけ
首領からの指示に背き
独断で行動した

結果的に
予測していた倍の貢献を
組織にもたらした

だがその代わりに
彼奴は死にかける程の
大怪我を負った

意識が戻り問い詰めても
彼奴はただ「護りたかったから」としか
答えなかった

後々調べてみると
部下達を駆り出していれば
全員死体となって戻ってきても
可笑しく無いものだった


彼奴は人の命が懸かると
自分の命を顧みずに
成し遂げようとしちまう

だから今回のような時は
俺や姐さんがなるべく側に
いるようにしている

此れは俺と首領と姐さん
3人の間だけの暗黙の了解に
なっているんだと思う

彼奴がもう2度と
1人で抱え込んで傷つかないように…

彼奴を失わないように…

プリ小説オーディオドラマ