ゲートを抜けて、
ヨコハマの地に降り立ったあなたは
久しぶりの街の景色が見たいと思い、
空港内のテラスがあるカフェへ向かった。
まっすぐ帰る予定だったが
首領から「迎えが来るから待っててね」と
云われたためである。
お店に入り、
大好きなイチゴのケーキと紅茶を頼んで
ゆっくりしながら待っていると
電話がかかってきた。
『はい、あなたです』
「俺だ、久しぶりだなあなた」
『久しぶりです、どうかされましたか?』
「お前今どこにいるんだ?」
『えっと…〇〇というカフェですよ』
「わかった、すぐそっち行くから待ってろよ」
『…えっ!?……ってあー切れちゃった…』
突然の同僚からの電話と
迎えに行くという発言に
驚きながら、身支度を始めていると
「悪ぃ、待たせたな」
少し息を切らし現れた彼に
懐かしさと嬉しさを感じながら
振り向いた
『お久しぶりです、中也さん!』
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。